研究概要 |
腎尿細管培養細胞およびレーザーマイクロダイセクション法を用いた動物モデルの腎尿細管に選定したメッセージ回収と遺伝子発現解析、Annexins発現の機序の一因としての蔭酸による腎尿細管細胞障害からアポトーシスに至る過程、さらにヒト腎尿細管培養細胞(HK-2)におけるカルシウムシグナル伝達に関するレセプターであるProtease-activatedreceptors(PAR)の遺伝子のサブタイプ発現と共焦点レーザー顕微鏡による局在の解析を行った。 1.OCT包埋正常および0.4%エチレングリコール投与ラット腎組織からRNasefree下に薄切し、特殊フィルムコートスライドに塗布。PALMrobot-microbeamを用いlaser-capturedmicrodissectionにて結晶形成を認める腎尿細管を選択的に採取、メッセージを回収した。 2.結石形成ラット腎におけるアポトーシスおよび関連遺伝子発現をTUNNEL法、RT-PCRで検証した。結石形成ラットでアポトーシスが誘発され、bc1-2,bax, p53,ICE, Fas-ligandの遺伝子発現およびタンパク発現に変化を認めた。 HK-2細胞よりメッセージおよび蛋白を回収した。遺伝子発現とその定量にはPCRおよびreal-timePCRで解析した。 3.HK-2細胞でのPARs1-4すべてのサプタイプの発現を確認した。また、その局在が細胞膜が主体で一部ゴルジ装置にも存在することを検証した。また、蔭酸負荷によりPARs1-4すべてのサブタイプのメッセージがup-regulationされることを明らかにした。 4.活性化の検証に対してEHSA法によるInterleukin-6(IL-6)測定を行った。蔭酸負荷でIL6の産生元進を認めpathwayのシグナル伝達が検証された。
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