研究概要 |
研究1.子宮体癌46例に対して99mTc-フチン酸、パテントブルーを用いてセンチネルリンパ節の同定を試みた。RIを手術の前日に子宮鏡下に投与後、ダイナミックシンチグラフィーを施行し、術当日にも撮像した。46例中38例(83%)で同定に成功した。平均のセンチネルリンパ節の個数は3.1個であった。筋層浸潤が1/2に満たない症例では35例中31例(89%)で同定可能であった。 Sensitivity, specificityとも100%であった。センチネルリンパ節の同定部位としては外腸骨節、閉鎖節、傍大動脈節がほとんどであった。 研究2.子宮頚癌39例に対して99mTc-フチン酸およびパテントブルーを用いた併用法にてセンチネルリンパ節の同定を試みた。RIは手術の前日に直視下に子宮膣部に投与後ダイナミックシンチグラフィーを施行し、術当日にも撮像した。色素は開腹後、RIと同様に投与した。色素法では78%、RI法では82%、併用法では87%(34/39)の同定率であった。系統的なリンパ節廓清によって転移を認めた5例は全てセンチネルリンパ節にも転移を認め、Sensitivity, specificityとも100%であった。同定部位では外腸骨節、閉鎖節、基靭帯節が多かった。平均のセンチネルリンパ節同定数では2.8個であった。 研究3.子宮体癌における微小転移巣の検索は通常のHE標本にて転移を認めなかった症例に対して抗サイトケラチン抗体を用いて免疫染色を行って検討した。20例から得られた全摘出リンパ節の検討により3症例のそれぞれ1個のSLNに微小転移が検出された。また1症例においては1個のSLNに孤立性の癌細胞を認めた。2症例では外腸骨節、1症例においては大動脈周囲リンパ節に存在した。1症例においては検出領域ではない大動脈周囲のリンパ節領域のnon-SLNに微小転移が検出された。SLNにおいては74個のうち4個に癌細胞が検出され、non-SLNでは668個のうち4個(1症例)のみに検出された
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