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2005 年度 実績報告書

選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)によるアルツハイマー病予防機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16591636
研究機関山形大学

研究代表者

高橋 一広  山形大学, 医学部, 助手 (20292427)

研究分担者 倉智 博久  山形大学, 医学部, 教授 (40153366)
五十嵐 秀樹  山形大学, 医学部, 助手 (80333970)
阿部 亜紀子  山形大学, 医学部, 助手 (30359567)
キーワードエストロゲン / ラロキシフェン / 神経細胞 / 黄体ホルモン / 神経突起 / Akt
研究概要

平成17年度は当初の計画では、シグナル伝達に関するカベオリンとエストロゲン受容体(ER)との関係、また、telomerase reverse transcriptaseの細胞内局在を検討する予定であったが、エストロゲン(E)の神経細胞に及ぼす作用をより多角的に検討するために以下の実験を先行させた。エストロゲンには細胞間ネットワーク形成に重要である神経細胞の突起伸長作用があることが知られている。また、臨床では子宮を有する女性では、ホルモン補充療法として、エストロゲン製剤に加えて黄体ホルモン剤の投与が行われる。しかし、各種ホルモン剤の神経突起伸長作用に与える影響は明らかになっていない。これらを明らかにするために実験を行った。実験用の細胞としてhuman neuroblastomaのcell lineであるSH-SY5Yを用いた。実験の結果、1)Eは神経突起の伸長を促進し、この作用は酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)で抑制された。Eは2)Aktのリン酸化を促進し、この作用はMPAで抑制された。神経突起の伸長にはAktの下流で、低分子GTP結合タンパクであるcdc42、Rac1の活性化、RhoAの不活性化が知られているので、エストロゲンがこれらに対する影響について検討した。その結果、Eは3)cdc42、Rac1の活性化し、さらにRhoAを不活性化した。また、この作用はMPAにより阻害された。以上より、エストロゲンは神経突起伸長作用を有し、その伸長には、Estrogen→ER→Akt→Rac1、cdc42の活性化→RhoAの不活化→神経突起伸長という経路が考えられた。臨床の場で使用されるMPAはEの神経突起伸長作用を阻害する可能性が示唆された。今後、ラロキシフェンの影響についてさらなる研究を追加する予定である。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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