研究課題
基盤研究(C)
目的:日本におけるHPVスクリーニングとワクチン投与の基礎的なデータを得る。方法:2282人の筑波大学附属病院と茨城西南医療センター病院を検診あるいは子宮頸部疾患を治療するために受診した日本人女性(1517人の正常細胞診、318人のCIN1、307人のCIN2-3、140人のICC)からHPV DNAのデータを分析した。HPVジェノタイピングにはL1プライマーを使用したPCR法を採用した。結果:ICCでのHPV分布は多い順にHPV16型(40.5%)、18型(24.4%)、52型(8.4%)、33型(3.1%)、58型(3.1%)だった。細胞診正常とCIN2-3・ICCのHPV分布を比較すると、病変進展のリスクはジェノタイプによって異なり、16/18/31/33/35/52/58型はprevalence ratio(PR)=1.92、95%CI=1.58-2.34、他のoncogenic typeはPR=0.31、95%CI=0.19-0.50。non-oncogenic typeはPR=0.09、95%CI=0.03-0.43.。16・18型はそのほかの型との混合感染を含めて日本人女性でのICCの67.1%とCIN2-3の36.2%に寄与している。より重要なのは、16・18型の分布が年齢によって非常に異なることである。20-29歳で最も多く(ICCの90%、CIN2.3の53.9%)その後年齢とともに減少し、60歳以上で最も少なくなる(ICCの56.3%、CIN2・3の25.0%)。結論として、型特異的なHPV検査を行うことでCIN2.3と子宮頸癌への進展する可能性が高い日本人女性を検出することが可能かもしれない。日本では現在ワクチンで約70%のICC予防が可能と予測されており、妊孕性のある若年層での子宮頸癌と前がん病変を減らすことが期待できる。
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