研究課題/領域番号 |
16591638
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
篠崎 博光 群馬大学, 医学部, 講師 (30334139)
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研究分担者 |
峯岸 敬 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00209842)
安部 由美子 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70261857)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | ゴナドトロピン / 受容体 / PCO / OHSS / 変異受容体 |
研究概要 |
最近のFSHレセプター(FSH-R)の研究より、FSHとFSH-Rの結合には、FSHαサブユニットとFSHβサブユニットの一部が結合することが判明した。さらに、FSHとFSH-Rが結合した後に2量体を形成し、細胞内シグナル伝達が生じることが解明された。一方、LH-Rのshortform LH-R(26)はFSH-Rと細胞内で2量体を形成することが判明し、LH-R(26)はFSH-Rの速やかな発現減少を引き起こすことが判った。この反応はTSH-Rには誘起されないので、ゴナドトロピンレセプターに特異的な反応であると考えられた。FSH添加によるcAMP産生能も低下させることから、機能的FSH-Rの抑制の機能と考えられた。 LH-R(26)は、LH-Rの細胞外ドメインの一部に欠損が生じたものであるが、この発現量はLH-Rの50%に及ぶため、ヒトの卵胞の機能に重大な影響を与えると考えられる。FSH-RとLH-R(26)が結合することより、黄体細胞におけるFSH-Rの急速な減少にもこの結合が必要であることが予想される。FSH-Rの機能が細胞の増殖のシグナル伝達系であることも判明しているので、黄体退縮においては、FSHのこのシグナル系路を早期に終結させるために、LH-R(26)の機能が存在すると考えられる。今後は、LH-R(26)の発現量の多少を検討し、病態との関連を検討することも必要であると考える。 FSH-Rに関しては、当科不妊外来を受診する方々の内に307と680番目のアミノ酸に多型の存在することが今回の実験結果で明らかとなった。少数例の結果であり、多型とFSH-R機能または卵巣機能との直接的関係は不明であり、今後の検討課題である。
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