研究課題/領域番号 |
16591647
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
佐々木 泰 富山大学, 附属病院, 助手 (60324050)
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研究分担者 |
齋藤 滋 富山大学, 医学部, 教授 (30175351)
宮崎 聡美 富山大学, 医学部, 助手 (90361956)
酒井 正利 富山大学, 附属病院, 助教授 (90242502)
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キーワード | CD4^+CD25^<bright>制御性T細胞 / 脱落膜 |
研究概要 |
CD4^+CD25^<bright>制御性T細胞(T reg)はを介し免疫応答を負に調節し、免疫寛容を誘導することが知られている。正常妊娠、自然流産例の末梢血、脱落膜におけるT regに関する検討では1)正常妊娠末梢血中のT reg細胞率は非妊婦末梢血、流産症例の末梢血に比し有意に高値であった。また正常妊娠では脱落膜中のT reg細胞率は末梢血中の値に比し、有意に高値であった。一方で流産症例脱落膜中のT reg細胞率は末梢血と差を認めず、正常妊娠脱落膜に比し有意に低下していた。また細胞表面上のCTLA-4分子発現の状況から、正常妊娠脱落膜では流産脱落膜に比し活性化制御性T細胞が多いことが判明した。さらに脱落膜CD4^+CD25^-T細胞は抗原提示細胞の存在下の抗CD3抗体刺激により増殖反応を示したが、脱落膜CD4^+CD25^+T細胞はアナジーの状態で増殖しなかった。一方で抗CD3抗体刺激によるCD4^+CD25^-T細胞の増殖を脱落膜CD4^+CD25^+T細胞は濃度依存性に抑制した。 この結果から正常妊娠ではT reg細胞が脱落膜で増加し免疫寛容を誘導し、妊娠が維持される一方、自然流産ではT regが減少し免疫寛容が解除されている可能性が示された。 次に我々はマウスの系で、マウス抗CD25抗体の投与により流産が誘発されるか否かを検討した。 1)同系、異型マウス間交配の両方で、抗CD25抗体投与によりCD4^+CD25^+T細胞率は、著しく減少することが判明した。2)異型マウス間交配での抗体投与群の流産率は対照群に比して有意に高率であったが、同系マウス間の交配では、抗CD25抗体投与による流産率の増加は認められなかった。 異系マウス間の交配では、T regを減少させることにより流産が誘発されたことから、制御性T細胞がアロ妊娠における免疫寛容に極めて重要な役割を果たすことが明確となった。
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