研究概要 |
治療の個別化のためには,患者の病態を適切に反映したモデルを用いた基礎的検討が必要と考えられる.本研究では,上皮性卵巣癌症例の腫瘍組織を用いて,腫瘍の生物学的特性と抗癌剤誘導性アポトーシスとの関連を明らかにすることを目的として以下の検討を行った. 卵巣癌組織の集積と保存およびスクリーニング 鳥取大学医学部附属病院にて,治療を行った上皮性卵巣癌患者より文書による同意を得て,腫瘍組織を採取する.全ての症例は標準的化学療法であるタキサン化合物とプラチナ製剤による治療を行った. 100例を超える冷凍保存組織からRNAを抽出しcDNAを準備した。 卵巣癌組織のアポトーシス関連遺伝子解析 腫瘍組織について,アポトーシス関連遺伝子であるp53遺伝子,c-myc遺伝子およびARF蛋白の発現を検討した.p53遺伝子異常の有無についてpolymerase chain reaction(PCR)-single strand conformation polymorphism(SSCP)法でスクリーニングし,direct sequencingで同定した.化学療法誘導性アポトーシスとp53遺伝子異常との関連を検討した.c-myc遺伝子発現はReal time PCR(TaqMan)にて定量化した.ARF蛋白はWestern blottingを用いて検索した.
|