研究分担者 |
平川 俊夫 九州大学, 大学病院, 講師 (20218770)
小林 裕明 九州大学, 大学病院, 助手 (70260700)
園田 顕三 九州大学, 大学病院, 助手 (30294929)
佐々木 雅之 九州大学, 医学部, 教授 (40240907)
古賀 博文 九州大学, 大学病院, 助手 (90343318)
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研究概要 |
子宮頸癌の術中センチネルリンパ節(SN)の同定法の確立を目的として、色素法とRI法の有用性を検討した。九州大学病院倫理委員会の規定に則り、子宮頸癌手術症例で文書にて同意を得た症例を対象とした。手術前日に、子宮頸部粘膜下3,5,7,9°に^<99m>Tc-フィチン酸を局注しシンチグラフィを撮影した。術中に骨盤後腹膜を展開した後、子宮頸部粘膜下3,5,7,9°にインジゴガルミンを局注し、染色されるリンパ節を同定した。その後ガンマプローブにて、陽性となるリンパ節を同定し、同リンパ節をSNとして摘出した。症例は12例で年齢は20-71歳(平均48.4歳)であった。IB1期6例、IB2期4例、IIB期2例であった。組織型は扁平上皮癌9例、腺癌3例であった。いずれの症例も有害事象は認めなかった。RI法では11例でSNの同定が可能であり、その内2箇所(両側)に認めた症例は6例、3箇所(両側)は2例、1箇所は3例であった。部位別では基靭帯節1、内腸骨節4、閉鎖節9、外腸骨節5、総腸骨節2であった。色素法では10例、17箇所で陽性であり、いずれもRI法で同定されたSNと一致していた。組織学的にリンパ節転移を2例に認め、1例はSNにのみ転移、1例はSNを同定できなかった症例であった。本法による子宮頸癌のSNの術中同定法は安全に行われ、RI法では11/12例、色素法では10/12例で同定することができ、本法は有用であると考えた。子宮頸癌のSNは、基靭帯、閉鎖、内腸、外腸、総長骨リンパ節であり、膨大動脈リンパ節や鼠径リンパ節には認めなかった。以上の研究より、センチネルリンパ節の同定法は確立された。今後は、症例を増やし採取された検体で免疫組織化学やRT-PCR法により微小転移の診断法を確立し、センチネル理論の妥当性を検証していき縮小治療への応用を確立していく予定である。
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