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2004 年度 実績報告書

RCAS1を標的とした婦人科悪性腫瘍に対する新しい分子標的治療の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16591669
研究機関九州大学

研究代表者

園田 顕三  九州大学, 大学病院, 助手 (30294929)

研究分担者 宮本 新吾  九州大学, 大学病院, 助手 (40209945)
キーワードRCAS1 / リンパ球アポトーシス / 腫瘍間質組織 / ELISA / ectodomain shedding / 造腫瘍性
研究概要

RCAS1は婦人科悪性腫瘍に強く発現し、末梢血リンパ球にアポトーシスを誘導する。本研究では腫瘍の進展を容易にするために生体内で形成される微小環境に関してRCAS1発現による、(1)腫瘍細胞における悪性形質の修飾および、(2)腫瘍間質組織に対する抑制効果について解析し、RCAS1を標的とすることが婦人科癌に対する新たな治療の開発につながることを明らかにすることを目的とした。以下に本年度の研究結果を記載する。
(1)担癌患者症例でのRCAS1発現と間質反応の質的変化に関する検討:(1)腫瘍細胞のRCAS1発現と原発巣・転移リンパ節におけるリンパ球のアポトーシス誘導との関連についてタネル法を含めた免疫組織染色により解析したところ、RCAS1発現に相関してリンパ球アポトーシスが誘導されていた。(2)担癌患者症例での腫瘍細胞のRCAS1発現と線維芽細胞の形態、組織内分布の変化を抗RCAS1抗体、ビメンチンおよび種々の細胞膜分子、タンパク分解酵素に対する抗体を用いた免疫組織染色で解析したところ、RCAS1発現と相関して間質細胞のビメンチンの発現が減弱していた。腫瘍組織ではRCAS1発現とMMP-1およびLaminin-5の発現の間に正の相関が認められた。(2)子宮癌患者症例血清中のRCAS1についてELISA法を用いて測定したところ、頸癌、体癌共に健常者に比しRCAS1濃度は高値であった。さらに、子宮頸癌では腺癌が扁平上皮癌に比し高値であった。(3)RCAS1の膜型から分泌型への変換に関する検討:RCAS1は発現細胞のTPA処理により分泌されるが、GM6001を同時添加することで分泌が抑制されることから、RCAS1はectodomain sheddingにより分泌型抗原となることが示された。(4)RCAS1発現と悪性形質獲得に関する分子機構の解析:RCAS1遺伝子導入細胞を用い、in vitroコロニー形成能やヌードマウス移植後の造腫瘍能の変化について解析を行ったところ、RCAS1遺伝子導入細胞での造腫瘍性の亢進が認められた。その一方で、RCAS1に対する特異的siRNAを細胞導入することでヌードマウスでの造腫瘍性が抑制され、RCAS1がin vivoにおける造腫瘍性と関連があることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Heparin-Binding EGF-Like Growth Factor Is a Promising Target for Ovarian Cancer2004

    • 著者名/発表者名
      Shingo Miyamoto, Kenzo Sonoda et al.
    • 雑誌名

      Cancer Research 64

      ページ: 5720-5727

  • [雑誌論文] Postoperative adjuvant chemotherapy with cisplatin, cyclophosphamide, and anthracycline (doxorubicin, epirubicin, pirarubicin) for endometrial cancer2004

    • 著者名/発表者名
      Hideaki Yahata, Kenzo Sonoda et al.
    • 雑誌名

      International Journal of Clinical Oncology 9

      ページ: 317-321

  • [雑誌論文] Association between RCAS1 expression and microenvironmental immune cell death in uterine cervical cancer

    • 著者名/発表者名
      Kenzo Sonoda et al.
    • 雑誌名

      Gynecologic Oncology (In press)

  • [雑誌論文] Clinical Significance of Heparin-Binding EGF (Epidermal Growth Factor)-Like Growth Factor and ADAM (A Disintegrin and Metalloprotease) 17 Expression in Human Ovarian Cancer.

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiro Tanaka, Kenzo Sonoda et al.
    • 雑誌名

      Clinical Cancer Research (In press)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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