本研究では、子宮頸部浸潤癌(扁平上皮癌)、子宮頸部異形成例、正常子宮頸部に感染しているHPVの塩基配列を決定することで、各HPV型、サブタイプ、バリアントのリスク評価を行った。 (1)High Risk型・バリアントの同定 子宮頸癌症例群、異形成症例群、コントロール群から検出されたHPVの型は31種類、そのうち17種類をハイリスク型と分類した。31種類のHPV型のうち26種類にバリアントが存在した。この26種類のうち21種類では癌に検出されるバリアントとコントロールから検出されるバリアントが混在していた。これら21種の型はバリアントによって発癌リスクが異なる可能性があった。 (2)検出されたHPVの型 陽性率の高い型は、癌症例群では16型(42.4%)、33型(9.0%)、58型(8.0%)、18型(7.7%)、52型(7.1%)、31型(6.1%)、35型(4.2%)だった。コントロール群では、52(12.0%)、51%(8.4%)、35(8.1%)、53(5.7%)、56(5.4%)、16(4.8%)、33(3.6%)、90(3.6%)、91(3.6%)、71(3.0%)となっていた。 (3)各HPVのリスク評価 オッズ比等を用いたリスク評価でハイリスク型と判断したものは、16、18、31、33、35、45、51、52、53、56、58、59、66、68、70、73、82型であった。ローリクス型と判定したものは、6、32、39、42、54、61、67、71、72、84、86、90、91型であった。
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