研究課題
子宮内膜症の発症と疼痛に関与する遺伝子群をスクリーニングする目的で、月経子宮内膜特異的変動遺伝子群を検索した。実験モデルとしては、われわれの研究室で行っているin vitro月経モデルを使用した。子宮内膜症の進展は月経周期に関与し、特にエストロゲンとプロゲステロンの影響が急速に減少する月経期の子宮内膜および子宮内膜間質の変化が影響していると考え、性ステロイド存在下に培養した子宮内膜と、性ステロイド投与後に性ステロイドを除去して追加培養を行った群で発現遺伝子を検討した。cRNAはGeneChip【○!R】(Affymetrix U133Set)によって解析し、発現の増強及び低下を検討した.性ステロイドを投与していないコントロール群・性ステロイド投与群とin vitro月経モデル群において,その発現が2倍以上増強或いは半分以下に減弱しているものを月経特異的変動遺伝子とした。また、それらの実際の変動をRT-PCRにて確認した。月経モデル群における発現増強遺伝子は13個、減弱遺伝子は32個であった。増強遺伝子には、月経関連遺伝子として既に同定されているMCP-1やIL-8が含まれており、本法の戦略と方法論の妥当性が強く示唆された。一方。月経関連遺伝子としては未報告の遺伝子も見いだされ、RT-PCRによりGeneChipと同様の発現変動が確認された。実験モデルにおいて子宮内膜症特異的発現遺伝子群の候補を絞るとともに、臨床検体へ検索をおこなうための準備も行った。子宮内膜症あるいは子宮筋腫で病巣部を切除した症例において、当施設倫理委員会の承認を受けた方法により、子宮内膜症病巣組織、子宮筋腫組織を集積しているところである。このようにして得られた臨床検体において、今まで指摘されていたMCP-1、IL-8、MMP-8などの子宮内膜症病巣における発現を確認するとともに、今回得られた候補遺伝子群の中から、子宮内膜症の進展と疼痛の発現にかかわる遺伝子群の探索を行っていく予定である。
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