頭頸部癌において高頻度に過剰発現が認められる癌遺伝子サイクリンD1を標的としたsiRNAによる癌遺伝子の特異的発現抑制が癌細胞増殖能に与える効果を、頭頸部培養細胞を用いて検討した。 1)頭頸部癌において高頻度に過剰発現が認められる癌遺伝子サイクリンD1を標的としたsiRNAを化学合成した。 2)リポフェクションをもちいて、化学合成したsiRNAを頭頸部癌培養細胞株に導入し、siRNA導入細胞におけるサイクリンD1の発現を免疫ブロット法により検討した。 3)siRNA導入細胞における増殖能の変化を、単層培養やコロニー形成法、DNA含量ヒストグラム解析による細胞周期解析で検討した。 4)siRNAによる細胞増殖抑制が、抗癌剤の効果と相加的な効果を示すか検討した。 以上の実験から、サイクリンD1を標的とするsiRNAが頭頸部癌細胞でのサイクリンD1発現を抑制すること、このサイクリンD1の発現抑制が癌細胞増殖能を低下させること、抗癌剤の効果と相加的以上以上の効果を有することが示された。上記内容は現在英文誌に投稿中である。
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