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2004 年度 実績報告書

HLA class I分子による効率的な抗原提示を目指した頭頸部癌治療法の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16591695
研究機関旭川医科大学

研究代表者

荻野 武  旭川医科大学, 医学部, 助手 (00312455)

キーワードHLA class I抗原 / 頭頸部癌 / 抗原提示 / 抗原プロセッシング / 免疫回避機構
研究概要

63例の喉頭癌,33例の上咽頭癌ホルマリン固定組織を用い,酵素抗体法にてHLA class I抗原および抗原提示に関与する蛋白の発現異常の頻度を評価し,その臨床的意義について検討した。喉頭癌,上咽頭癌において約80%の患者組織にてHLA class I抗原の発現は低下していた。HLA class I抗原の発現が低下した癌組織を有する症例は有意に予後が不良であった。また,HLA class I抗原発現低下はLMP2とtapasinの発現と相関が認められ,それらの蛋白はHLA class I抗原の発現に影響を及ぼすものと考えられた。また,10種の頭頸部癌細胞株を用いてHLA class I抗原および抗原提示に関与する蛋白の発現をフローサイトメトリーにて解析した。HLA class I抗原の発現は各種扁平上皮癌細胞株間でばらつきがあり,1種の細胞株を除いてIFN-gにてその発現は増加した。そのIFN-gに反応しなかった細胞株は,LMP2のIFN-gの反応性に異常があり,HLA class I抗原の発現が増加しないことを明らかにした。また,HLA class I抗原の発現はLMP2とtapasinに相関が認められ,この2者はHLA class I抗原の発現に影響を及ぼすものと考えられた。以上の結果は,頭頸部癌におけるHLA class I抗原および抗原提示に関与する蛋白の発現低下は癌細胞における宿主からの免疫回避機構になっていることを示している。これらの結果は,第28回日本頭頸部腫瘍学会6.16-18.福岡,第8回基盤的癌免疫研究会総会7.15-16.札幌,第63回日本癌学会総会9.29-10.1.福岡にて発表した。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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