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2006 年度 実績報告書

内耳特異的蛋白および難聴原因遺伝子のコードする蛋白に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16591702
研究機関信州大学

研究代表者

工 穣  信州大学, 医学部附属病院, 講師 (70312501)

キーワード内耳 / UbA52遺伝子 / 難聴 / 蝸牛血管条辺縁細胞 / 前庭暗細胞
研究概要

内耳に特異的あるいは高発現している遺伝子は難聴の原因遺伝子である可能性が高く、実際にいくつかの難聴原因遺伝子が同定されている。我々は2年間に渡り、cDNAマイクロアレイによって内耳に高発現している遺伝子群の1つであることが確認されているCOL9A3遺伝子がコードするIX型コラーゲン蛋白や、細胞質甲状腺ホルモン結合タンパク(CRYM)遺伝子がコードするCRYMタンパクの内耳における局在を示し、それぞれが難聴の原因となるメカニズムについて報告してきた。
平成18年度はヒト内耳(蝸牛・前庭)に特異的に高発現を示す遺伝子の一つである、UbiquitinA-52 residue ribosomal protein fusion product(以下UbA52)遺伝子に着目し、1)難聴患者におけるUbA52遺伝子の変異スクリーニング、2)タンパク質レベルでの局在の免疫組織学的検討、3)内耳におけるUbiquitin結合基質タンパク質の検討を行った。
1)UbA52遺伝子は5つのexonで構成され、そのそれぞれについて特異的なprimerを設計し、条件設定ののち、直接シークエンス法にて変異遺伝子のスクリーニングを実施した。対象には難聴患者160症例の抽出DNAを用いた。結果としては明らかな遺伝子変異をみとめず、本遺伝子の変異に起因して難聴を発症する可能性は低いと考えられた。
2)マウス(C57BL6J)を使用。生後0日目〜生後28日目まで固定して側頭骨標本を作製した。UbA52特異抗体を作成し、免疫染色を行った。抗体の特異性についてはWesternblotでrecombinant Ubiquitinを認識すること、免疫したペプチドを用いた吸収試験にて特異的な染色所見の欠如をみること、positive controlとして報告のある腎臓の皮質尿細管で強い陽性所見が得られたことにて確認した。結果として蝸牛血管条辺縁細胞・前庭暗細胞に陽性所見を認めた。また、PO-P3では陽性所見なし、P6以降では成熟マウス同様の染色像であった。
3)Ubiuitin化が組織の恒常性の維持等に重要な役割を担っており、破綻によって発症する疾患のメカニズムが明らかになってきたが、内耳における基質タンパク質・特異的な酵素の報告はほとんどないのが現状であるため、内耳特異的なUbqiuitin結合タンパク質の同定を目的として、マウス蝸牛を用いたプロテオーム解析を実施している。現在、2次元電気泳動とWesternblot法によって、内耳におけるUbiquitin結合タンパク質を分離・抽出し、質量分析によってタンパク質を同定する実験を行っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Immunocytochemical localization of ubiquitin A-52 protein in the mouse inner ear.2007

    • 著者名/発表者名
      Kitoh R, Oshima A, Suzuki N, Hashimoto S, Takumi Y, Usami S.
    • 雑誌名

      NeuroReport (In press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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