研究課題/領域番号 |
16591703
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
青木 光広 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (30283302)
|
研究分担者 |
伊藤 八次 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60135192)
水田 啓介 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10190638)
|
キーワード | メニエール病 / 日内リズム / メラトニン / ADH / ストレス |
研究概要 |
メニエール病(MD)の発症には生活環境因子や外的ストレスによるリズム変調が関与し、そのリズム変調による内耳液制御の破綻が内リンパ水腫を形成および促進させている可能性が考えられる。そのため、MD症例における日内リズムを検討した。3時間ごとに唾液中メラトニン濃度を計測し、最小二乗法に基づいたコサイナー法を用いて日内リズム解析した。13人のMD患者と13人の健常成人において、唾液を3時間ごとに回収した。唾液メラトニンのサーカディアンリズムの統計解析は、24-12時間の複合コサイン・モデルを使用した。唾液メラトニンのサーカディアンリズムの統計解析は、MemCalcシステムを用いて、single cosinor法、F(t)=M+Acos(2πt/c+φ)に基づき,平均メラトニン濃度およびリズムの統計を推定している中央値、リズム振幅、頂点位相を計測した。加えて、研究対象者のストレスと抑うつ状態をスコアー化し評価した。MD患者と対照被験者群ともに、唾液メラトニンは有意な日周期バリエーションを示した(p<0.05)。MDグループの中のメラトニンの周期的リズム振幅は、また、対照群(p<0.001)のそれより有意に低かった。MDグループの平均リズム頂点位相は、対照群(p=0.01)より有意に前進していた。MD患者は、対照被験者(p<0.05)よりかなり高いストレス・スコアがあった。MD患者におけるMESORは、神経耳科学的臨床データとの間に有意の相関が見られなかった。また、1年間めまい発作抑制が可能であった3人のMD患者から再度、同様の解析を行った。彼らのリズム振幅はともに、対照群に比して低いものの、第1回目の唾液採取時の測定結果より有意に増加した。また、内リンパ水腫制御に関連するといわれるバゾプレッシン(ADH)について検討した。MD群では他のめまい群に比較して、血漿ADHは有意に高く、めまい発作において著しい上昇を示した。こうした結果を踏まえて、マウスにおける内リンパ水腫形成モデルをアルドステロン注入法により作成するとともに、その抑制因子としてのメラトニンの関与について更なる検討中である。
|