研究課題/領域番号 |
16591705
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
竹内 万彦 三重大学, 医学部, 助教授 (50206942)
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研究分担者 |
湯田 厚司 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80293778)
岸岡 睦子 三重大学, 医学部, 助手 (10314113)
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キーワード | トロンビン / ムチン / ロイコトリエン / シグナル伝達 / NF-κB / G-protein / PKC / MEK |
研究概要 |
まず、トロンビンの気道上皮細胞(Calu-3)の透過性に及ぼす影響を検討した。トロンビンとTRAP(thrombin receptor activating peptide)は、Calu-3細胞のマンニトールに対する透過性を亢進した。形態学的には、多くのストレスファイバーがみられ、細胞と細胞の間に間隙が観察された。次に、ムチン遺伝子発現におけるロイコトリエンD_4(LTD_4)の効果を明らかにするため、ルシフェラーゼアッセイを用いてLTD_4及びプランルカストの影響について検討した。HM3-MUC2細胞において、LTD_4はMUC2遺伝子転写活性を有意に亢進させた。また、プランルカストはLTD_4によるMUC2遺伝子転写活性亢進を抑制した。次に、LTD_4のムチン遺伝子発現におけるシグナル伝達経路に関する検討では、LTD_410^<-6>M刺激にて有意に亢進したMUC2遺伝子転写活性は、pertusis toxin及び、bisidolylmaleimideにて濃度依存性に抑制された。また、LTD_410^<-6>M刺激にて有意に亢進したMUC遺伝子転写活性は、同様にPD98059及びAG126にて濃度依存性に抑制された。次に、AP-1、CRE、GREをトランスフェクトした細胞では、LTD_410^<-6>M投与にてこれらのSEAP活性の有意な亢進は認められなかったが、NF-κBにおいて有意なSEAP活性の亢進を認め、さらにその亢進はプランルカスト10^<-6>Mにて抑制された。さらに、NF-κBの特異的な阻害剤であるCAPEも、LTD_410^<-6>Mにより亢進したMUC2遺伝子転写活性を抑制した。以上より、LTD_4によるムチン遺伝子発現には、G-protein、PKC、MEK、ERK及びNF-κBを介してシグナル伝達されることが示唆された。
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