研究課題
我々は手術、放射線治療、化学療法に代わりうる治療方法を開発する目的でマウスに癌細胞を移植し、さらに生着した癌に共刺激分子であるCD80の遺伝子であるB7-1を導入、発現させることによってT cellおよび樹状細胞を含めた局所の細胞性免疫を活性化し、どの程度の抗腫瘍効果が得られるか検討を行っている。さらにこの系においてワクチンとしての効果についても検討している。大部分の頭頸部癌の病理組織型は扁平上皮癌である。したがって実験モデルとしては扁平上皮癌細胞を用いることが望ましいと考え、マウス扁平上皮癌細胞株であるKLN-205細胞、およびその由来マウスであるDBA/2マウスを用いて実験を行ってきた。これまでに得られた主な結果は以下の通りである。1 KLN-205細胞1.0×10^6/0.1mlをDBA/2マウスの大腿皮下に接種した。その結果癌細胞が生着し皮下に腫瘤を形成することを確認した。2 B7-1遺伝子を組み込んだAdenovirus(Ad B7-1)を理化学研究所より購入し、感染力価(TCID50)を測定したところ、7.6×10^8pfu/ml(B7-1を組み込んでいないAdenovirusでは2.7×10^<10>pfu/ml)との結果を得た。3 Ad B7-1を導入したKLN-205細胞における遺伝子レベルでのB7-1の発現をRT-PCRで測定した。MOIは1、5、25、125で行った。Ad B7-1を感染させていないKLN-205細胞ではB7-1の発現はほとんど認められなかった。これに対しAd B7-1を感染させたKLN-205細胞ではMOI=1および5の場合は感染させていないKLN-205と同様にほとんどB7-1の発現を認めなかったが、MOI=25ではB7-1遺伝子の弱い発現を認め、MOI=125ではより強く発現することを確認した。
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