研究課題/領域番号 |
16591735
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
小野田 法彦 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60106903)
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研究分担者 |
友田 幸一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50164041)
須貝 外喜夫 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (90064625)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | モルモット / 前梨状皮質 / 内因性信号 / ニオイ濃度 / 濃度閾値勾配 |
研究概要 |
成熟モルモットを用い、麻酔下で動物の頭丁骨に、あらかじめ頭部固定装置(Skull fixation device)を装着し、頭部を不動化し、前梨状皮質を露出し、ニオイ刺激に対する内因性光信号の変化を光学的に計測した。そのさい、疹痛を与えないように十分に配慮した。 16年度にはニオイ物質として、アミルアセテート、ニトロベンゼン、ブタナール、ブタノール、ブチリックアシド、エーテル、キシレンを用いて前梨状皮質の内因性光信号応答をイメージ化(Computer, Image display)した。 17年度には鎖式炭化水素を刺激とした。官能基の異なる炭化水素を用いた。さらに、異なる炭化水素の濃度を変えて前梨状皮質から得られた結果を解析した。 前梨状皮質では用いられたどのニオイにも空間的に重なり合う応答部位が見られ、ニオイの差によって区別しうるようなニオイ局在性は見られなかったが、濃度変化による応答の差が明確に見出された。低濃度では前梨状皮質前方部に、高濃度では前方部に加えてさらに後方部に広がる応答パターンを示した。活性領域の面積と刺激濃度の関係はベキ関数で表わされることが判った。したがって、前梨状皮質ではニオイの濃度に関する情報は前方部から後方部へ向かって広がって行く活性領域の大きさに符号化されている。また、単一神経細胞記録の結果から、前梨状皮質前方部の錐体細胞は低い濃度閾値を持ち、後部領域の錐体細胞は高い濃度閾値を持つことも判った。すなわち、前部領域から後部領域に向かう錐体細胞の濃度閾値勾配が明らかになった。 前梨状皮質でのニオイ濃度の符号化は、前部から後部にかけて前梨状皮質へ投射する求心性入力の空間的分布密度の差に基づいていると考えられる。
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