研究課題/領域番号 |
16591747
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
近藤 峰生 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80303642)
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研究分担者 |
三宅 養三 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30166136)
寺崎 浩子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40207478)
中村 誠 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60283438)
近藤 永子 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30335038)
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キーワード | 網膜色素変性 / モデル動物 / 人工視覚 / ロドプシン |
研究概要 |
今回の研究では、中型動物(ウサギ)における網膜色素変性のモデル動物を作成し、人工視覚や幹細胞移植の動物実験に供与することを目的とした。本年度の前半には、全身および眼内にNMUなどの薬物を投与することによって中型動物に視細胞変性を惹起させる実験を行った。しかしながら、薬理学的に視細胞に特異的な変性をおこすことは困難であり、またそれに伴って視神経の変性が避けられないことも明かとなった。そこで、今年度の後半からは、実際にウサギに対して網膜色素変性の原因となる遺伝子変異を導入することによって、より実際のヒトに近いモデル(トランスジェニックウサギ)を作成する方針に変更した。 この方法では、ウサギのロドプシン遺伝子全てを含むのゲノムクローンを単離して、実際にヒトにおいて網膜色素変性の原因となる遺伝子変異の一つ(ロドプシンPro347Leu変異)を導入したベクターを構築し、これを高純度に精製してウサギ受精卵に注入することによって網膜色素変性モデル動物を作成する。 実際の達成度については、実際にトランスジェニックウサギを得るまでには至っていないが、受精卵注入と63匹の産子を得るまでの段階には成功しており、今後DNA解析によってトランスジェニックウサギのファウンダーを選別し、それを交配させて大量にトランスジェニックウサギを作成していく予定である。このプロジェクトが成功すれば、眼球が大きい網膜色素変性のモデル動物としてはブタに次いで世界で2番目、ウサギに対するモデル動物としては世界初のものとなる。このモデル動物は網膜色素変性の治療としての人工視覚、幹細胞移植実験などの発展に大きく寄与することが予想される。
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