研究課題/領域番号 |
16591753
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
宮崎 大 国立大学法人 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (30346358)
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研究分担者 |
井上 幸次 国立大学法人 鳥取大学, 医学部, 教授 (10213183)
馬場 高志 国立大学法人 鳥取大学, 医学部, 助手 (40304216)
柿丸 晶子 国立大学法人 鳥取大学, 医学部, 助手 (50379624)
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キーワード | アレルギー性結膜炎 / ケモカイン / マイクロアレー / eotaxin-1 / MIP-1α / 肥満細胞 / CCR3 / アトピー |
研究概要 |
我々は、生体における肥満細胞のアレルギー性結膜炎への関与、次に肥満細胞の調節に関わる因子に関して解析をすすめてきた。まず、肥満細胞のアレルギー性結膜炎への関与についてはc-Kit欠損により肥満細胞欠損を生じたマウスにアレルギー性結膜炎を発症させ、肥満細胞の関与を検討した。その結果肥満細胞欠損マウスにおいては、即時相の反応の消失に加え、遅発相の好酸球、好中球浸潤も著明に減少した。このことは、肥満細胞の活性化のみで遅発相の多くを説明できることを示している。次に、我々は、この減少が肥満細胞によりmediateされているのかをさらに検証するため、分化させた肥満細胞を結膜に移入し、遅発相への影響を検討を行うため、分化状態の検討をおこなっている。 肥満細胞の調節に関わる因子に関しては、現在最も有望な因子としてCCL3,CCL11が浮かびあがってきた。CCL3は、即時相の反応の際、特徴的にその発現は増大するが、我々は、CCL3が結膜肥満細胞の適切な脱顆粒反応にとって不可欠な因子であることを報告した。一方、CCL11に関しても同様に結膜局所の肥満細胞の脱顆粒にとって必須の因子であることも判明した。免疫染色を用いた検討では結膜肥満細胞は結合組織型の特徴をもつ肥満細胞であり、CCR1,CCR3を発現するが、これらはCCR5は発現しなかった。また、CCR3の発現はアレルゲン点眼前の発現は結膜の場合、ほぼ肥満細胞に限局しており、結膜におけるCCL11の役割は、好酸球浸潤の主要なmediatorであるのみならず即時相反応の重要な調節因子であることが示された。これまでの研究からこれらCCケモカインを介する経路が肥満細胞の応答性を精緻に調節していることがわかってきたが、これらが高親和性IgEレセプターを介した下流シグナルをいったいどのように調節していのかをさらに検討するため、分離した結膜肥満細胞の系を用いて細胞骨格や細胞膜状のラフト構造との関連に関して検討を進めつつある。
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