研究概要 |
(1)PSF解析装置による白内障眼、眼内レンズ挿入眼の光学データの蓄積 これまでの研究の基礎データにて、白内障眼のPSF測定が可能であり、白内障の混濁のタイプにより網膜像のコントラスト特性の違いが明らかになったが、さらに混濁情報にともなう散乱の影響などについて解析するため、データの蓄積を行った。また、眼内レンズ挿入眼ついてもデータ蓄積中である。これらの成果の一部は現在、論文投稿中である。 (2)水晶体の光学機能解析 波面センサーで全眼球光学系の収差を測定し、角膜形状をスリットスキャン方式により、測定し、光線追跡の手法を用いて、水晶体前面の波面を求めて、その波面をゼル二ケ展開することで、水晶体のみの光学特性を評価する方法を提案し、その測定精度を確かめた。かなりの精度で測定が可能であると思われたが、測定誤差の原因については現在のところ未検証である。成果は論文「水晶体の波面収差解析方法 石井和彦、大沼一彦、根岸一乃、大野健司、野田徹、視覚の科学 第24巻 第3号(2005)に掲載予定。」 (3)眼内レンズ挿入眼における網膜像の視覚的シミュレーション法の確立 CCDカメラと実験光学系を用いて、眼内レンズ挿入眼の網膜像を視覚的にシミュレーションする方法を確立し、単焦点眼内レンズおよび多焦点眼内レンズの偏位の影響について検討した。成果はNegishi K, et al. Visual Simulation of Retinal Images through a Decentered Monofocal and a Refractive Multifocal Intraocular Lens. Japanese J Ophthalmol. In press. に発表した。
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