研究課題
膠様滴状角膜ジストロフィ(GDLD)の責任遺伝子であるアミノ酸置換をともなう変異型のM1S1の発現実験を行なったところ、細胞内の局在が変化し、同時にバリア機能の低下が観察された。角膜内のアミロイド沈着はラクトフェリンからなっているが、角膜上皮のバリア機能の破綻により涙液からのラクトフェリンの浸入を招いている可能性が示唆された。しかし、単なるタイトジャンクションの機能障害のみで、臨床的にGDLDに見られる著しいバリア機能の破綻を説明し得るものか疑問が残っている。薬理学的にM1S1の機能を補填すると同時に、沈着するアミロイドがさらに炎症反応をまねき、その機能障害を悪化させている可能性があり、これを薬理学的にコントロールすることで治療ができると考え、さらに研究を進めている。一方、ラクトフェリンの遺伝子には複数のポリモルフィズムが高頻度に認められることが明らかになっている。ラクトフェリンの変異が直接にGDLDの原因にはならないことは既に示されているが、重症度に何らかの関与を行なっている可能性もあり、変異型と野生型の角膜実質細胞への影響の違いについて検討する実験系を作成した。これらの研究成果の一部は学会(2004年 Association for Research in Vision and Ophthalmology総会)で発表した。
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