M1S1は膠様滴状角膜ジストロフィ(GDLD)の原因遺伝子であるが、その機能は十分解明されていなかった。今回の研究で、GDLDの角膜上皮の電子顕微鏡による観察では形態学的にタイトジャンクションがみとめられないこと、M1S1の発現実験では細胞間の接着に関与していることが明らかになった。また、Junctional adhesion molecule-1 (JAM1)は上皮のバリア機能に関与していることが近年明らかになっており、我々がおこなった免疫組織化学的な検討では角膜上皮におけるJAM1はM1S1と共通した局在をしめしておりM1S1との相互作用が示唆された。ラクトフェリン、キマーゼによるバリア機能の障害機構が解明され、これらを薬理学的にコントロールできる可能性を検討している。また、角膜接着を促進する因子としてラミニン5を同定し、これを投与することにより、上皮障害の修復の促進が図られることを明らかにした。
|