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2005 年度 実績報告書

実験的脈絡膜新生血管に対する水溶性光感受性物質を用いた光線力学療法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16591770
研究機関日本大学

研究代表者

中島 正巳  日本大学, 医学部, 講師 (50297826)

研究分担者 湯澤 美都子  日本大学, 医学部, 教授 (60139160)
キーワード光感受性物質 / 実験的絡膜新生血管 / 光線力学療法
研究概要

我々はサル眼に実験的絡膜新生血管(CNV)を作製した後、光感受性物質ATX-S10(Na)(ATX)の投与量を3.5mg/Kgに設定し光線力学療法(PDT)をおこなった。最終的な目標は網膜・脈絡膜への障害なしに選択的CNVの閉塞が得られるPDTの照射条件を得ることであった。
様々な条件でCNVにPDTを行なった結果、ATX投与からPDTまでの時間が29分以内の場合(照射エネルギー量40〜55J/cm^2)、6か所中5か所で網膜血管の障害を認めた。ATX投与からPDTまでの時間が30分の場合、50J/cm^2では選択的なCNVの閉塞を認めたが、40J/cm^2ではCNVの閉塞を認めず、60J/cm^2では網膜血管の障害を認めた。ATX投与からPDTまでの時間・照射エネルギー量が、それぞれ、30分・50J/cm^2、31分・55J/cm^2、32分・50J/cm^2、33分・60J/cm^2、の場合(4か所)に選択的なCNVの閉塞を認めた。ATX投与からPDTまでの時間が35分以降の場合(照射エネルギー量40〜80J/cm^2)、9か所すべてで、CNVの閉塞を認めなかった。選択的なCNVの閉塞を認めたものはPDT7日後の検眼鏡所見でCNVの線維化がみられ、CNV周囲の漿液性網膜剥離は認めなかった。病理組織学的検討ではCNV内に明らかな血管腔を認めず、線維芽細胞、色素含有細胞などの増殖により線維化が生じていた。脈絡膜毛細血管に明らかな閉塞所見は認められなかった。また、照射部内の網膜の既存の血管はよく保たれており、閉塞や消失は認められなかった。網膜内層もよく保たれていた。
今回の検討でCNVを選択的に閉塞できる照射条件を得ることができたが、十分な幅をもった至適照射条件を得ることができなかった。臨床応用を考えた場合、投与量を3.5mg/Kgにすると有効な治療領域が狭くなってしまう可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 実験的脈絡膜新生血管に対するATX-S10(Na)を用いた光線力学療法の検討2006

    • 著者名/発表者名
      広瀬朝士, 中島正巳, 姜哲浩, 湯澤美都子
    • 雑誌名

      日本眼科学会雑誌 110・6

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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