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2006 年度 実績報告書

胆道閉鎖症の病因-血中母体マイクロキメリズムの可能性についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 16591789
研究機関順天堂大学

研究代表者

小林 弘幸  順天堂大学, 医学部, 教授 (50245768)

キーワード胆道閉鎖症 / マイクロキメリズム / 染色体 / HLA
研究概要

(目的)胆道閉鎖症の病因論を追求するために、本症患者肝組織におけるmaternal microchimerismの存在について検討した。
(方法)実験1:胆道閉鎖症患者6名(男)における肝組織でのX, Ychromosomeの発現についてFluorescent in situ hybridization (FISH)法を用いて検討した。
実験2:胆道閉鎖症患者9名(女)とその母親のHLA class Iのtypingを行い、患者に存在せず、母親のみに存在する、HLA class Iのモノクローナル抗体を患者の肝組織を用いて免疫組織化学染色を施行した。
コントロール群として、新生児肝炎2例、Alagille症候群2例、Byler sundrome 1例とした。
(結果)実験1:胆道閉鎖症6名(男)全例において、本来は、XY chromosomesのみが肝組織に存在するはであるが、患者肝組織の肝細胞、胆管上皮に、XYとXX(通常は女性のみに存在)の発現が認められた。
実験2:胆道閉鎖症9名(女)の肝組織に、患者本人には存在せず、母親由来のHLA-class I抗体が肝組織と胆管上皮に発現しているのが確認された。この発現の強度に関しては、患者の予後とは相関しなかった。
(まとめ)本研究は、初めて、男性だけでなく、女性の胆道閉鎖症患者と、maternal microchimerismの関連を示唆した論文ではある。
胆道閉鎖症の原因論としてウイルス説、自己免疫疾患説などが述べられているが、多くは、後天性の疾患と考えられていた。今回の研究の成果により、maternal microchimerism、つまり、母胎間での問題が大きくクローズアップされ、肝組織における、maternal microchimerismの存在による異種の抗原の発現が標的となり、肝、胆管組織破壊が起こることが示唆された。
(今後の展望)症例数を重ね検討することが重要であり、又、何故、肝組織のみにこのような現象が起きているのかを他臓器とも比較して検討する必要性があると考える

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Maternal microchimerism in biliary atresia2007

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Kobayashi et al.
    • 雑誌名

      Journal of Pediatric Surgery in press

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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