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2004 年度 実績報告書

ケロイド治療の新戦略〜RNA抑制遺伝子導入表皮角化細胞からのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 16591792
研究機関北海道大学

研究代表者

杉原 平樹  北海道大学, 病院, 教授 (20002157)

研究分担者 山本 有平  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70271674)
川嶋 邦裕  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30281801)
関堂 充  北海道大学, 病院・助手 (40372255)
小山 明彦  北海道大学, 病院・医員 (70374486)
堤田 新  北海道大学, 病院・医員 (00374489)
キーワードケロイド / アポトーシス / 表皮角化細胞 / 線維芽細胞 / 共培養 / TGF-β / MIF / LPA
研究概要

我々はこれまでに、ケロイドの成立におけるアポトーシス耐性の一因として、ケロイド由来線維芽細胞自身の内因性TGF-β1の存在を明らかにしている。このTGF-β1をコントロールすることができれば創傷治癒過程の過剰な瘢痕を克服できると考え、また表皮角化細胞より産生されるサイトカインがケロイド組織内の線維芽細胞の増殖やアポトーシスの制御に関与していると推測した。
今年度は新たな検体が得られず、ストックの表皮角化細胞、線維芽細胞を用いて実験を行った。上下2チャンバーになっている6穴プレートを使用し、上部に正常線維芽細胞によるfeeder layer、および表皮角化細胞を、下部に線維芽細胞を種々の組み合わせで播種することにより共培養系を確立し、正常皮膚由来表皮角化細胞あるいはケロイド由来表皮角化細胞との共培養下における正常皮膚およびケロイドの線維芽細胞の増殖とアポトーシス抵抗性について検討した。
この結果、アポトーシスに関連するMAPKカスケードの下流に位置するERK,JUNKのリン酸化およびアポトーシス関連タンパク(Fas/FasL,Bc1-2,TGF-β)の発現の解析において、ケロイド由来表皮角化細胞と共培養した線維芽細胞で、最も高い発現を認めた。以上より、ケロイド表皮は正常表皮に比べ共培養下のケロイド由来線維芽細胞の増殖およびアポトーシス耐性に強い影響を持つことが明らかになった。
また、他の実験系においてケロイドの発生への関与が推測されるMIF(マクロファージ遊走阻止因子)やLPA(リゾフォスファチジン酸)に着目し、これまでの実験系と併せ、複合的な因子の相互作用についての検索を開始し、MIFやLPAがTGF-βとともにケロイドの増殖や細胞運動に関与していることが示唆された。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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