研究課題/領域番号 |
16591801
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
米原 啓之 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (00251299)
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研究分担者 |
平林 慎一 帝京大学, 医学部, 教授 (60173259)
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キーワード | マイクロサージャリー / 頭部異所性移植 / 組織移植 / 頭蓋骨 / 骨変性 / 神経筋組織 / 廃用性変性 / 顎関節 |
研究概要 |
今回の実験においては、ラットにおいて血行を温存した頭部をほかの個体に異所性に移植している。この状態では頭蓋顔面および上肢の形態は温存した状態でありながら、神経系は廃絶された状態となり、筋肉などによる機能的な負荷がかからない状態での骨や関節組織の変性状態を観察できる。また、移植を行う頭部を移植床とは異なる週令のラットを用いることによりさまざまな状態での骨代謝や骨形成、骨修復過程の観察が可能となる。例えば幼若な頭部を週令の進んだ成熟した個体に移植することにより、幼若な骨組織に成熟した個体からの血行が流入するようになり、骨形成過程に血液中のさまざまな因子がどのように影響するかを検討することも可能である。また、同一週令の頭部を移植し移植頭部と移植床頭部各々に骨欠損を作成した場合には、機能の廃絶した骨組織においての骨修復が機能の温存されている場合と比較してその骨修復がどのように異なっているかを観察することが可能である。 移植手術実験においては、20週令のラットの大腿動静脈を血管茎として挙上し、この血管茎に上半身を切断した2週令のラット上半身を上行大動静脈を血管茎としてマイクロサージャリーにより血管吻合して移植した。これらのマイクロサージャリーの方法を用いることにより、安定した実験モデルの作成を行い、神経筋組織の廃用された頭部における骨組織の変性の観察を行っている。実験結果の検討では、20週令のラットに2週令のラット頭部を移植し移植後の骨変性の状態を軟X線像、組織像において観察し、さらにカルシュウム量、アルカリフォスファターゼ活性を計測することにより移植された頭部の骨組織の変化を生化学的に検討している。また、同時に対照群として、通常に飼育された同一週令ラットにおいても同様の検討項目について観察および計測を行っている。
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