研究課題/領域番号 |
16591809
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
青木 克憲 国立大学法人浜松医科大学, 医学部, 教授 (20124927)
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研究分担者 |
間賀田 泰寛 国立大学法人浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (20209399)
仁科 雅良 国立大学法人浜松医科大学, 医学部, 助教授 (20180622)
吉野 篤人 国立大学法人浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00262816)
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キーワード | dysoxia / 出血性ショック / 蘇生 / 微小循環 / 輸液 / トノメータ / hyperoxia / Pd-porphyrin |
研究概要 |
ウサギ(日本白色種JW/CSK)をイソフルレン吸入麻酔下、内頸静脈、内頸動脈、大腿動脈にカテーテルを挿入し、輸液、採血、脱血路とした。次に、胃腔内にトノメータを留置、クラーク型酸素電極を回腸漿膜下に刺入、上腸間膜静脈にカテーテルを挿入(上腸間膜静脈酸素分圧(PvO_2))、さらに、Pd-porphyrin phosphorescenceによる回腸漿膜酸素分圧のvalidationを確立し、回腸漿膜の組織酸素分圧とした。以上から、回腸漿膜酸素分圧(PtO_2)と回腸静脈酸素分圧(PvO_2)の較差(Oxygen Gap : O_2Gap)、酸素摂取率(Oxygen Extraction Ratio : O_2ER)=(PaO2-PvO_2)/PaO2を算出した。これらの値と消化管トノモータによるdysoxiaの予測との相関を検討した。平成16年度は、以上の実験モデルを確立した後、出血性ショックモデルを作成し、tissue dysoxiaの蘇生に関する実験を試みた。出血性ショックは、循環血液量の50%(体重×8%×1/2)の脱血モデルとした。脱血後、aggressive fluid resuscitationにより正常血圧に戻すと、O_2Gapが増大した。脱血前から、100%酸素吸入を行い、動脈血酸素分圧を500〜600Torrに維持しても、O_2Gapの増大を防止できなかった。アルカリ緩衝液のアシドーシス改善効果も、O_2Gapの増大に有効ではなかった。以上より、出血性ショックに対する大量輸液は、tissue dysoxiaを生ずる可能性があり、輸液蘇生と同時に、微小循環蘇生に関する新たな対策が必要と考えられ、2年目の平成17年度の中心課題として検討する。
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