研究課題/領域番号 |
16591813
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
救急医学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
倉橋 清泰 横浜市立大学, 医学研究科, 準教授 (50234539)
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研究分担者 |
中村 京太 横浜市立大学, 附属病院, 助手 (00287731)
舘田 一博 東邦大学, 医学部, 講師 (20236558)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 急性肺傷害 / VILI / keratinocyte growth factor / 肺保護戦略 / 遺伝子治療 / 再生 / サイトカイン / 高濃度酸素傷害 |
研究概要 |
レジオネラ浮遊液を経気道的に投与して作成した雄性SDラットの肺炎モデルにおいて、吸入酸素濃度(F_IO_2)を100%に固定する群とPaO_2の目標を70Torrに設定した2群を比較したところ、6時間の観察期間中、血圧・脈拍等の循環動態、気道内圧、肺コンプライアンス、等の生理学的数値、肺の湿/乾重量比(W/D)、病理組織像ともに、群間に差は認められなかった。 肺傷害のモデルを変更し、換気量の違いによる肺傷害の発生を検討した。その結果、全身の炎症が起こっているところで(肝臓の阻血再灌流後)高容量換気(24ml/kg)を行うと肺傷害が起こるが、炎症のみ(肝臓の阻血再灌流+低容量換気:6ml/kg)若しくは高容量換気のみ(肝臓の阻血再灌流を行わない)の場合には肺傷害が起こらないことを明らかにした。すなわち、全身炎症状態でprimingされた肺がさらに高容量換気によって過剰な刺激を受けると組織傷害に発展することが確かめられた。また、その傷害にはTNF-α等の炎症性サイトカインが関与していることが確かめられた。 次いで、高濃度酸素暴露による急性肺傷害の治療法を検討した。マウスに72時間にわたり90%以上の濃度の酸素を吸入させると肺傷害が起こるが、これに対してkeratinocyte growth factor (KGF)を発現するベクターを投与すると肺胞上皮の増殖、サーファクタント蛋白の増加等の変化とともに、肺傷害が減少し、生存率も上昇することが示された。
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