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2005 年度 実績報告書

遺伝性・腫瘍性骨軟化症における象牙(骨)芽細胞機能欠損の分子機構と遺伝子治療

研究課題

研究課題/領域番号 16591828
研究機関広島大学

研究代表者

吉子 裕二  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (20263709)

研究分担者 汪 華  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50363081)
児玉 一郎  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00325169)
キーワード軟骨 / スタニオカルシン / リン酸 / 骨軟化症・くる病
研究概要

最近の遺伝性・腫瘍性骨軟化症/くる病の研究の進展により,硬組織局所におけるリン酸代謝調節機構が病態発現のみならず生理的にも重要であると予想されている。
本件では,リン酸代謝の主要組織として,腎/腸におけるNaPi輸送機構と同様に骨芽細胞のNaPi輸送が基質石灰化に必須であると想定し,タイプIII NaPiトランスポーターやFGF23に注目し,それらの組換えアデノウイルスベクターを用いて基質石灰化のメカニズムを追求してきた。
今回検討した項目は以下の通り。
(1)FGF23アデノウイルスベクターを用い,培養骨芽細胞モデルのTet-offシステムをにより,FGF23の過剰発現の調節,発現時期調節に満足のいく結果を得た。
(2)FGF23アデノウイルスベクターを培養骨芽細胞モデルに導入すると,NaPi活性は低下した。
(3)培養骨芽細胞にPit1のノックダウンまたは選択的NaPi輸送阻害剤foscarnet添加し,早期に反応する遺伝子をスクリーニングしたところ,リン酸代謝調節作用をもつ分泌性のリン酸化タンパク,スタニオカルシンを得た
(4)組換えスタニオカルシンを軟骨器官培養系に添加すると,Pit1発現の増加,FGF23の発現レベルの低下を認め,NaPi活性を正に調節した。
(5)NaPi活性を促進すると,カスパーゼ3を介した軟骨細胞のアポトーシスを誘導した。
(6)Pit1をノックダウンした培養骨芽細胞の機能は組換えスタニオカルシンの添加によりレスキューされなかった。
(7)現在,FGF23およびその受容体のノックダウンが基質石灰化を促進するか否か検討中。
以上の結果より,硬組織におけるリン酸輸送の主要分子としてPit1を同定し,その調節に直接または間接的にFGF23,スタニオカルシンが関与することを明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Stanniocalcin 1 acts as a paracrine regulator of growth plate chondrogenesis.2006

    • 著者名/発表者名
      Wu, S
    • 雑誌名

      J Biol Chem 281

      ページ: 5120-5127

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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