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2004 年度 実績報告書

顎口腔筋の老化と疾患におけるDNAの酸化的損傷とその防御

研究課題

研究課題/領域番号 16591829
研究機関徳島大学

研究代表者

中江 良子  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80127844)

キーワード骨格筋 / 筋ジストロフィー / 老化 / 酸化ストレス / 8-オキソグアニン / DMD / mdx / 国際情報交換
研究概要

酸化ストレスは、老化や疾病の促進、あるいは疾病発症の原因となる因子として重要である。DNAに含まれる4種の塩基の中でguanineは、酸化ストレスに最も弱く、酸化されて8-oxoguanineになる。本研究は、顎口腔筋の加齢と疾患(ジストロフィン欠損による筋ジストロフィー)における筋細胞核DNA中のguanineの8-oxoguanineへの酸化を免疫組織化学的に検出・定量し、酸化ストレスによるDNAの損傷を明らかにすると共に、DNAの酸化的損傷を防御あるいは軽減するための効果的な抗酸化剤を見出すことを目的としている。このため、私共はまず、組み換え技術によって、高特異性を示す抗8-oxoguanineモノクロ抗体(Fab 166)を作製し、核DNA染色と免疫組織化学的重染色、および定量的イメージングの技法を組み合わせて、単位核DNA量当たりの8-oxoguanineの相対含量を非破壊的(in situ)に測定する方法を開発し、骨格筋組織切片内の個々の筋細胞核における酸化ストレスの強度の評価を可能にした(特許出願中;Acta Anat Nippon 80,in press)。ヒトの重篤なDuchenne型筋ジストロフィー(DMD)の骨格筋細胞には、2歳で既に老化色素であるリポフスチンの集積が観察され、細胞質の酸化ストレスが健常筋より増大していることが、私共の研究で明かになり(Nakae et al.J Mol Histol 36,489,2004)、筋細胞核にも当然酸化ストレスによる傷害が予想された。そこで、私共の開発した8-oxoguanine定量法を用いて、DMD骨格筋細胞核のDNAの酸化的損傷を測定したところ、DMD骨格筋細胞核のDNAは、健常筋のものより8-oxoguanineを14%多く含んでいることが示された。本測定法の原理は、guanine以外の塩基の定量、あるいは骨格筋細胞以外の組織細胞にも応用可能である。
DMDのモデル動物であるmdxマウスと健常マウスに、酸化ストレスを防御あるいは軽減すると予想される数種の薬剤を一定期間投与後、舌、咬筋、横隔膜を摘出した。これらの骨格筋の筋細胞核DNAにおける8-oxoguanine含量、細胞質内のリポフスチン含量、および筋細胞の変性度について組織を非破壊的に詳細に調べ、薬剤の効果を現在検討中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] A new technique for the quantitative assessment of 8-oxoguanine content in situ in nuclear DNA2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshiko Nakae
    • 雑誌名

      Acta Anatomica Nipponica 80(In press)

  • [雑誌論文] Early onset of lipofuscin accumulation in dystrophin-deficient skeletal muscles of DMD patients and mdx mice2004

    • 著者名/発表者名
      Yoshiko Nakae
    • 雑誌名

      Journal of Molecular Histology 35・5

      ページ: 489-499

  • [産業財産権] 組織細胞核DNA酸化度の非破壊的定量方法、これを用いるDNA酸化に起因する疾病の病理検査方法、及び該疾病治療剤のスクリーニング方法2004

    • 発明者名
      中江 良子
    • 権利者名
      国立大学法人徳島大学
    • 産業財産権番号
      特許権 特願2004-354837
    • 出願年月日
      2004-05-31

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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