研究概要 |
1、破骨細胞前駆細胞株4B12細胞の骨局所への走化機構について解析した 1)Q-TRACKER 565ラベル4B12細胞をddyマウス尾静脈から注入後、セルソーターでその蛍光ラベル化細胞を検出した。その結果、骨髄>脾臓>肝臓の順序に集積していた。また、肺、脳、腹腔への集積は検出されなかった。マウスの頭蓋正中部にLPSを注射し、その局所に4B12細胞が集積するか否か検討したところ、明らかに4B12細胞が頭蓋骨に認められた。現在この細胞が破骨細胞に分化しているか否か検討中である。 2)4B12細胞で発現しているケモカインレセプターを、カケンジェネックスのケモカイン&ケモカインレセプター用マイクロアレイを用いて、M-CSF+sRANKL+IL-1α刺激時による発現と、M-CSF+LPS刺激時よる発現を検討した。その結果、4B12細胞はケモカインレセプターとしてCCR1、CCR2、CCR3、CCR5、CCR7、CCR8、CCR1-like 2、CXCR3、CXCR4、CX3CR1、DARC、CCR1-like 1を発現しており、その中で高発現していたのはCCR8とCXCR4であった。また、発現が増加したのはCCR1とCX3CR1であり、発現が減少したのは、CCR2、CCR3、CCR5、CCR7、CCR8、CCR1-like 2、CXCR4で、DARCは変化が認められなかった。M-CSF+LPS刺激ではCCR1、CCR1-like 2、CCR1-like 1の発現が増加し、発現が減少したのは、CCR2、CCR3、CCR5、CCR8、CXCR3、CXCR4、CXC3CR1で、変化が認められなかったのはCCR4とDARCであった。以上の結果を基に、SDF-1α,SDF-1β,JE, MCP-2,MCP-3,MCP-5,MIP-1α,MIP-1β,MIP-1γ,MIP-3β,C10,RANTES, CTACK, Eotaxin, Eotaxin-2,Exodus-2の16種類のケモカインを用いて4B12細胞の走化性を検討した。その結果、4B12細胞は調べた全てのケモカインに反応した。CX3CR1のケモカインであるCX3CL1とCCR8のケモカインであるCCL1を加えて更に詳細に検討中である。 2、破骨細胞前駆細胞株4B12細胞のリン酸化タンパク質のプロファイルについて 4B12細胞をM-CSF、sRANKL、M-CSF+sRANKLで刺激後のリン酸化タンパク質のプロファイルを、Molecular probes社のPro-Q diamond phosphoprotein gel stainを用いて作製中である。
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