研究概要 |
破骨細胞特異的分化制御に関与するリン酸化タンパク質の解明について 破骨細胞分化制御に関与しているリン酸化タンパク質を、二次元電気泳動を用いた網羅的解析を行う時期を決定するために、破骨細胞分化の関連シグナルであるERK, P38、JNKのリン酸化時期、その下流で破骨細胞分化に関与している転写因子AP-1とNFATclの核への移行時期とTRAP陽性多核細胞形成時期を調べた。 1、M-CSF刺激におけるERKのリン酸化は、5分から認められ120分で最大になった。また、sRANKL刺激におけるp38のリン酸化は30分から認められ、JNKのリン酸化は10分から認められ、ともに6時間まで上昇していた。 2、M-CSFとsRANKL刺激におけるc-Fosの核移行を、核抽出タンパク質を用いてWestern blotで調べたところ、刺激後1時間目から3日目まで認められた。一方、同刺激におけるNFATclの核移行を、核抽出タンパク質を用いてWestern blotで調べたところ、刺激後1日目から認められ3日目で最大になりその後6日目まで認められた。 3、M-CSFとsRANKL刺激における核抽出タンパク質のAP-1 DNAプローブ断片への結合とNFATcl DNAプローブ断片への結合をEMSAで調べたところ、それらの結合が確認された。 4、TRAP陽性多核細胞はM-CSFとsRANKL刺激後4日目から認められ6日目まで増加した。 破骨細胞分化機構において最も重要な転写因子であるNFATclの核移行が3日目で最大となりTRAP陽性多核細胞形成が6日目で最大になったことから、6日目における核内のリン酸化タンパク質の網羅的解析を行った。 1、M-CSF単独刺激よりM-CSF、sRANKL両刺激で明らかに増加したスポットが、Syproruby染色で14箇所検出された。 2、その中でProQ diamond染色で明らかに陽性と認められたスポットは8箇所検出された。現在、それらの蛋白質の解析を行っている。
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