研究概要 |
ヒト口腔粘膜難治性病変の免疫組織学的検討を行い,TM1優位な自己反応性病変であるこどを明らかにし,この反応に樹枝状細胞の局所での増加が役割を果たしていることを明らかにした。ついで,我々が開発したマウスモデルを用いて,治療の基礎的検討を行った。その結果,NK細胞の活性を抑制すると,病変の重症度が低下することが明らかになり治療法としてきたいされた。また近年,慢性炎症の治療にアラキドン酸カスケードとプロスタグランジンが重要な働きをしていることが注目され,各種の炎症や腫瘍のpreventionに用いられている。そこで,ヒト口腔粘膜難治性病変で,sPLA2およおびCOX2の発現を検討したところ,過剰発現をmRNAおよびタンパクレベル確認した。これらの分子は,樹枝状細胞の最終分化にIL-1,TNFとともに関わっているPGE2を病巣の局所で産生すると考えられた。そこで今度は,株化扁平上皮細胞を用いて,sPLA2,CGX2の発現をmRNAおよびタンパクレベル確認した後,histone deacthylation imhibitorを用いて,発現抑制を観察した。Histone deacetylation inhibitorは,P21,P27分子を通して細胞を分化させ,NfkB分子を通して,COX2やsPLA2の発現を濃度依存性に抑制したことから,上皮におけるPGE2の産生抑制を介して樹枝状細胞の分化を制御すると考えられた。今後,樹枝状細胞の分化,活性化のレベルをCCR7. MHC class IおよびIIの発現,サイトカイン産生能の解析を通じて,樹枝状細胞の活性制御の検討を続けていく。
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