研究課題/領域番号 |
16591842
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
田谷 雄二 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (30197587)
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研究分担者 |
添野 雄一 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (70350139)
佐藤 かおり 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (90287772)
島津 徳人 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (10297947)
青葉 孝昭 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (30028807)
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キーワード | 舌原基 / マウス / 後頭体節 / 細胞移住 / 筋前駆細胞 / 筋芽細胞 / マスター遺伝子 / 器官培養 |
研究概要 |
舌筋細胞は後頭体節の軸下側筋板の筋前駆細胞に由来し、下顎突起内に移住してきた筋前駆細胞が予定舌領域で筋芽細胞に分化し、次いで多核化した筋管細胞へと分化する。本年度では、胎生日数9.8から12.3までのマウス試料を対象として、後頭体節から下顎突起・舌予定領域までの筋系譜細胞の移住経路を蛍光二重免疫染色法と3次元立体観察により明らかにした。胎生9.8日前後の後頭体節から遊走する筋系譜細胞はDesmin陽性/MyoD陰性で仮足形成を特徴とした。後頭体節に由来する筋前駆細胞の移住経路としては、背側側方の後頭体節から鰓弓に向かって遊走を始め、体幹間充織から第3-4鰓弓動脈の腹側を経由して第2鰓弓正中側に達し、胎生10.3日には下顎突起中央の正中部に到達することが確かめられた。筋前駆細胞の一部は移住路にあたる体幹間充織でDesmin陽性/MyoD陽性を示す筋芽細胞に分化するが、胎生10.3日前後に筋前駆細胞として下顎突起に到達した。下顎突起内では筋前駆細胞は増殖活性を維持するとともに、多角形に細胞形態を変化させ、正中近傍において細胞突起を伸ばして相互に連結した細胞集団を構成した。舌の初期形態と見なされる外側舌隆起は胎生11.4日前後に非筋系譜の間葉細胞の増殖により形成され、移住してきた筋系譜細胞はこの隆起形成には直接には関与していない。外側舌隆起の形態が明瞭になった胎生11.7日前後に正中溝上皮と連結した筋前駆細胞群に誘導されるように筋系譜の細胞集団は外側舌隆起内に移動する。舌の形態が一応完成した胎生12.3日では、筋芽細胞は増殖活性を停止して多核の筋管細胞に最終分化する。次年度においては、これらの時空間軸での舌形態形成を基礎にして、microdissection/RT-PCR、リアルタイムPCRにより筋系譜細胞の表現型と分化の制御に関わる遺伝子群の解析を進めていく。
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