研究課題
基盤研究(C)
本研究はスパイラルCTと、下顎骨緻密骨の骨塩量を絶対参照となる標準試料を用い、年代別の日本人下顎骨の骨密度の統計的な精密定量値を算出することにある。日本人下顎骨緻密質の骨塩データを蓄積するためには、標準試料の十分な強度および精度が必要と考えられ、HA-C標準試料を複数個作製し、製品の試験測定を行い精度の検定を行った。その後、鶴見大学歯学部付属病院外来受診患者様の同意を得て下顎骨のCT撮影を行った。その後、得られた三次元画像からオトガイ孔前後の緻密骨のCT値を求め、標準試料の回帰直線から内相法で骨塩量を定量した。それらの下顎骨骨密度データをワークステーションにデータ転送し、年代別の男女、緻密骨と海綿骨の骨密度の平均、標準偏差を求めた。データは女性84名、男性71名、合計155名であった。10歳代のデータも得られたが、男女比の関係から調査対象からは除外した。この結果、以下のような成果および下顎骨の年代別データを総括することができた。1.日本人下顎骨の骨密度は、♀1.321±0.131mg/mm3、♂1.421±0.107mg/mm3であった。2.下顎骨緻密質の年代別データでは、男性では30代、40代、50代とほとんど有意な変化は認められなかったが、女性では40代から50代に骨密度のピークを迎え、以後ゆるやかな減少傾向が認められた。3.下顎骨海綿質の年代別データでは、男性では30代に骨密度のピークを迎え以後緩やかに減少したが、女性では40代に骨密度のピークを迎え50代で大幅な減少傾向を示し、さらに60代では急激な減少傾向が観察された。4.女性では従来の閉経時期に関する報告と下顎骨海綿質骨密度の急激減少の間には高い相関関係があると考えられた。
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