研究概要 |
エストロジェンならびに、環境ホルモンによるEBウイルス再活性化関連遺伝子の転写活性能を比較検討した。すでに作製済みのEBウイルス関連のレポーターコンストラクトpZp-Luc, pRZ-Luc, pBHLF1-Luc, pBHRF1-Lucを用いてエストロジェンの作用を検討した。各レポーターコンストラクトをMCF-7細胞、HeLa細胞、およびHSG細胞に遺伝子導入し、エストロゲンを添加後、各レポーターの活性を測定した。その結果、ZEBRA非存在下ではいずれの細胞においてもエストロジェンによる各プロモーターへの影響はみられなかった。しかし、ZEBRA存在下でMCF-7細胞ではエストロジェン濃度依存的にpBHLF1-Luc, pBHRF1-Lucプロモーター活性の上昇がみられた。pZp-Lucの活性はエストロジェン存在下と非存在下では差がみられず、pRZ-Lucではエストロジェン濃度が1 X 10^<-5> Mで活性化される傾向が認められた。Hela, HSG細胞ともに高濃度のエストロジェンによっても各プロモーター活性の変化は認められなかった。次に、EBウイルス陽性細胞のB95-8、およびAkata細胞を用いてエストロジェン及び環境ホルモンのEBウイルス再活性化に及ぼす影響を検討した。B95-8細胞はTPA刺激で、Akata細胞は細胞表面のIgGをクロスリンクすることでEBウイルスの再活性化を誘導し、同時にエストロジェンあるいは各種環境ホルモンを加えて培養後、再活性化の指標であるZEBRA蛋白の発現をイムノブロット法にて確認した。その結果、エストロジェンはEBウイルスの再活性化を抑制したが、環境ホルモンの3-メチルコレントレン、2,3,7,8-テトラクロロディベンゾ-p-ダイオキシンおよびベンゾ[a]ピレン添加ではその発現に変化は認められなかった。
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