研究課題/領域番号 |
16591848
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
明坂 年隆 朝日大学, 歯学部, 教授 (70116523)
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研究分担者 |
吉田 寿穂 朝日大学, 歯学部, 助手 (80102119)
鈴木 礼子 朝日大学, 歯学部, 助手 (90333723)
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キーワード | 培養破骨細胞 / 細胞剥離法 / フォーカルアドヒジョン / ポドゾーム / 細胞骨格 / クラスリン / 急速凍結・乾燥レプリカ / 電子顕微鏡トモグラフィー |
研究概要 |
培養破骨細胞に出現するポドゾームを解析するため塩化亜鉛液で処理するか又は超音波処理して背側細胞膜を剥離し、細胞質、核などの小器官を除去することで接着側の細胞膜面を露出させそれに強固に付着する細胞骨格要素を残存させた。急速凍結、凍結乾燥後に2nm厚の白金と20nm厚のカーボンを回転蒸着してレプリカ膜を作製し電子顕微鏡でステレオペア撮影又はトモグラフィーにより三次元解析を行った。レプリカから接着側細胞膜面を細胞質側から解析することが可能となった。破骨細胞ではストレスファイバーが出現することがなく典型的なストレスファイバーを備える細胞での接着装置としてのフォーカルアドヒジョンとはポドゾームと多くの点で異なっていた。短いアクチンフィラメントが収束し接着膜面と膜面上の粒子構造を介して結合していた。ポドゾームの細胞骨格は背側膜面とも結合し接着膜面と背側膜面とは連動して細胞形態を変化させていると考えられた。接着側細胞膜面には多数のクラスリンシートが出現したがアクチン細胞骨格からなるポドゾームの領域とは明らかに区別されていた。一方、ストレスファイバーを有する細胞での接着装置としてのフォーカルアドヒジョンにもクラスリンが出現するがアクチン線維の収束様式で大きく異なるとともにアクチン関連タンパク(ゲルゾリン、G-アクチンなど)の三次元局在が異なりポドゾームが動的構造であるのに対してフォーカルアドヒジョンは静的構造であることを反映していると考えられる。初年度で得られた研究成果の一部は第110回解剖学会(3月開催)と第61回日本顕微鏡学会(5月開催)のシンポジウムで発表することになっている。
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