研究概要 |
1)CGRPが細胞の蛋白発現パターンに及ぼす影響の解析 CGRP刺激が細胞の蛋白発現パターンに及ぼす影響について二次元電気泳動による検討を行なった。材料としては、MG63細胞のほか、I型受容体のみが認められているというラット横紋筋細胞L6を使用した。電気泳動像は解析ソフト(Delta-2D)を用いて解析を行なったが、マッチしないスポット数が多く(50-100)、詳細な検討を行なうに至っていない。 2)骨芽細胞の細胞周期および分化に伴うCGRP受容体発現状況の解析 いくつかの骨芽細胞株およびヒト初代培養骨芽細胞を用いて、細胞周期をコントロールした状態、あるいは分化誘導因子で処理した状態で、CGRP受容体の発現状態についてフローサイトメーターにより評価した。使用したrhodamineラベルのリガンド(Phoenix Pharmaceuticals)は、生理活性は認められたが、受容体に対する結合力が弱いためか、ポジコンとしたEGFの結合実験で可視化できたようなデータは得られなかった。 3)CGRP familyであるadrenomedullinやcalcitoninおよびそれらのアンタゴニストによる効果解析 MG63細胞のほか、ヒト歯根膜細胞において実験を行い、高濃度のadrenomedullin (ADM)とcalcitonin (CT)において若干のCGRP様作用が認められたが、それらのアンタゴニスト(ADM_<22-52>, salmon CT_<8-32>)が、CGRP_<8-37>のようにCGTPの作用を顕著に抑制することはなかった。これらの結果から、上記のCGRPの作用はADMやCTの特異的受容体を介したものではないと考えてよさそうである。現在、さらに詳細について検討中である。
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