カルデクリンはキモトリプシン活性を示しエラスターゼファミリーに属するセリンプロテアーゼである。 骨代謝系におけるカルデクリンの作用については、以前から報告してきたが、神経系における作用については、アミロイド前駆タンパク質の異常切断によるアミロイド線維形成を抑制する知見が得られている。今回、培養系においてカルデクリンがアミロイド線維形成を抑制する可能性について検討した。まず、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の変異型発現神経細胞は家族性アルツハイマー病のモデルとなることから変異型APPを作製し神経細胞株を樹立した。 マウスカルデクリン遺伝子はマウスゲノムの第4染色体に座位していた。カルデクリンとエラスターゼの配列を比較し、イントロンをはさむカルデクリンに特異的な配列をプローブとしてカルデクリンゲノムを単離した。解析の結果、カルデクリン遺伝子を中央に含む約20kbのゲノム断片が取得できた。これを用いてKOベクターを構築しKOマウスを作出中である。
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