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2005 年度 実績報告書

硫酸化多糖によるBMP活性制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16591866
研究機関昭和大学

研究代表者

上條 竜太郎  昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)

研究分担者 片桐 岳信  埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (80245802)
宮本 洋一  昭和大学, 歯学部, 助教授 (20295132)
高見 正道  昭和大学, 歯学部, 講師 (80307058)
キーワードヘパリン / BMP-2 / 異所性石灰化誘導 / noggin / smad1 / 5 / 8 / リン酸化 / C2C12細胞
研究概要

我々は最近、BMPの骨芽細胞分化誘導活性がヘパリンやヘパラン硫酸などの硫酸化多糖によって促進されることを見出した(J.Biol.Chem.,278:43229-43235,2003)。ヘパリンは、BMPが標的細胞のBMP受容体への結合を妨げ、BMPを持続的に標的細胞に供給させる事により、標的細胞内のBMP受容体下流の情報伝達系を長時間機能させていることが示唆されている。一方、BMP- 2は標的細胞のnoggin分泌を促進し、このnogginは標的細胞周囲でBMP-2と結合し、BMP-2の作用を抑制することが知られている。
本研究では、ヘパリンがBMP-2による異所性石灰化に及ぼす効果、ヘパリンがBMP活性を促進する分子メカニズム、そしてヘパリンがnogginの作用に及ぼす効果を解析した。
その結果、(1) ヘパリンは、BMP-2が誘導する異所性石灰化を顕著に促進した。(2)Smad1/5/8のリン酸化は、BMP処理後1時間をピークに徐々に低下したが、ヘパリン存在下では、24時間目以降に再びリン酸化レべルの上昇が認められた。(3)ヘパリンはBMP-2によるnogginの分泌に影響を与えなかったが、ヘパリン存在下では、nogginはBMP-2の骨芽細胞誘導活性を抑制できなかった。(4)培養液中BMP-2の生物学的半減期はヘパリンにより20倍以上延長した。
以上より、ヘパリンはBMP-2による骨芽細胞分化誘導作用をin vivoでも促進することが示された。またヘパリンが、標的細胞を、BMP-2作用に対して抑制的な微小環境から保護することにより、BMP-2の作用を促進する可能性が示された。さらに、細胞内情報伝達系が長時間活性化されるのは、ヘパリンが培養液中BMP-2レベルの低下を抑え、BMP-2が標的細胞を刺激する時間が延されることによる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Enhancement of bone formation induced by implanted octacalcium phosphate involving conversion into Ca-deficient hydroxyapatite.2006

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, O.
    • 雑誌名

      Biomaterials 27・13

      ページ: 2671-2681

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Differentiation and monitoring of cells using a biochip for regenerative medicine.2005

    • 著者名/発表者名
      Arai, F.
    • 雑誌名

      Transaction of the Japanese Society of Mechanical Engineers 71・711

      ページ: 3239-3245

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] IL-1誘導性の軟骨細胞死における一酸化窒素の役割2005

    • 著者名/発表者名
      安原 理佳
    • 雑誌名

      口腔組織培養学会誌 14・1

      ページ: 55-56

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Interleukin-1β induces death in chondrocyte-like ATDC5 cells through mitochondrial dysfunction and energy depletion in a reactive nitrogen and oxygen species-dependent manner.2005

    • 著者名/発表者名
      Yasuhara, R.
    • 雑誌名

      Biochem.Journal 389・2

      ページ: 315-323

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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