研究課題
【目的】小眼球症マウスを用いて、成長発育過程における咬合様式の違いが咬筋のnAChRの転換と除去に及ぼす影響を明らかにする。【材料と方法】生後1、2、3、4、8週目に野生型マウス(Wild)、小眼球症マウス(mi/mi)それぞれ6匹ずつを安楽死させ、咬筋と腓腹筋を摘出した。摘出した筋組織に発現するα、δサブユニット、胎仔型のみに発現するγサブユニット、成体型のみに発現するεサブユニットのmRNA量を測定した。腓腹筋はmitf遺伝子突然変異自体がnAChRサブユニットmRNA発現に及ぼす影響を調べるために用いた。【結果と考察】腓腹筋において、調べた4つのnAChRサブユニットのmRNA発現量はWildとmi/miの間で有意差は認められなかった。この結果は、mitf遺伝子突然変異自体はnAChRサブユニットmRNA発現に大きな影響を与えていないことを示唆している。胎仔型と成体型の両方に発現するα、δサブユニットおよび胎仔型のみに発現するγサブユニットのmRNA発現量は、Wildの咬筋において、生後1〜4週前後まで減少し、4〜8週ではほとんど変化しなかった。これに対してmi/miの咬筋においては、生後1〜2週の間で減少したが、2週以降大幅な増加を示した。この結果は、mi/miの咬筋においては一旦減少を開始した胎仔型nAChRが、咀嚼運動が行えないため再び増加したことを示している。成体型nAChRのみに発現するεサブユニットmRNA発現量はWild、mi/miの咬筋の間で大きな差は認められず、生後1〜2週で増加し、3〜4週で減少し、4〜8週では変化しなかった。この結果はmi/miの咬筋においてもnAChRの除去は、ほぼ正常に進行していることを示唆している。正常なシナプス形成の進行のためには、咀嚼運動が行われることが非常に重要だと思われる。
すべて 2006 2005
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