研究課題/領域番号 |
16591873
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
今村 泰弘 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (00339136)
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研究分担者 |
王 宝禮 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20213613)
高橋 直之 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90119222)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
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キーワード | 歯周病 / 歯肉線維芽細胞 / 細胞増殖 / ヒスタチン / 熱ショックタンパク質 |
研究概要 |
歯周疾患の原因として環境要因が挙げられ、歯周病原菌の刺激により歯と軟組織への付着破壊、結合組織や硬組織である歯槽骨の破壊を引起す。これらの現象は炎症歯周組織に存在する宿主細胞間の複雑な相互作用によって惹起されている。これまでに我々は、歯周組織の主たる構成要素である歯肉線維芽細胞の炎症時における歯周病原菌LPS、プロテアーゼによる炎症性サイトカイン産生、結合・硬組織の破壊機序について報告してきた。 唾液タンパク質ヒスタチンは、カンジダ菌などの抗菌作用やう蝕原因菌増殖抑制、歯周病原菌由来コラゲナーゼ阻害活性を保持する。また、HIV感染者では、顕著なヒスタチン発現量の減少が示唆されている。我々はヒスタチンが歯周病原菌由来各種プロテアーゼの活性阻害物質であること、また最近、歯肉線維芽細胞の増殖を促進することについて明らかにした。これらの結果は、ヒスタチンが歯周病やその他の口腔疾患による炎症や歯槽骨吸収を軽減させ、歯肉の再生や治療に応用できる可能性を示唆している。そこで、ヒスタチンによる歯肉線維芽細胞の増殖促進効果を分子レベルで調べるために、ヒスタチン結合タンパク質を明らかにすることを試みた。カンジタ菌や酵母由来の熱ショックタンパク質SSA1p/2pがヒスタチンと結合し、抗菌作用を示すことから、ヒト(宿主)熱ショックタンパク質との結合性及びその機能解析を開始した。熱ショックタンパク質は細胞内新生タンパク質の立体構造形成、変性タンパク質のリフォールディングや凝集阻害、分解排除に至るまでタンパク質の一生に関わり、DNA複製・転写に関与し、また自然免疫系のToll様受容体のリガンドでもあることから、非常に重要な機能を有する。現在、熱ショックタンパク質とヒスタチンが結合することを確認し、歯肉線維芽細胞の細胞増殖に与える影響について、これら宿主間因子の相互作用を中心に解析を行っている。
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