研究課題/領域番号 |
16591882
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
庄司 憲明 東北大学, 病院, 講師 (70250800)
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研究分担者 |
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
飯久保 正弘 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80302157)
菅原 俊二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10241639)
小関 健由 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80291128)
阪本 真弥 東北大学, 病院・講師 (90157686)
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キーワード | IL-10 / 根尖性歯周炎 / 炎症性骨吸収 / トランスジェニックマウス / サイトカイン |
研究概要 |
根尖性歯周炎に伴って生じる骨吸収を最小限に抑制し、適切な治療後に失われた骨組織を回復することは、歯科臨床において重要な課題である。近年、根尖性歯周炎は根管由来の細菌および細菌代謝産物に対して惹起された免疫応答の結果生じる骨吸収性病変であり、その根尖部骨吸収を惹起する主な骨吸収サイトカインはIL-1であることが報告されている。また、IL-1の産生と活性はTh1(炎症性)とTh2(抗炎症性)のヘルパーT細胞の産生するサイトカインにより巧みに調節されているとされている。我々は既に、代表的なTh2(抗炎症性)サイトカインであるIL-4とIL-10のノックアウトマウスに根尖性歯周炎を惹起させたモデル実験から、炎症性骨吸収の抑制にはIL-4ではなく、endogenousなIL-10が強く関係することを報告した。しかしながら、IL-10の骨吸収抑制の首座である破骨細胞の分化・活性化に関連するメカニズムについては不明な点も多く、また、治療目的としてのIL-10投与が根尖性歯周炎にどのような影響をもたらすかについての報告は今までにない。そこで、本研究ではIL-10の過剰分泌がin vivoで実験的根尖性歯周炎の骨吸収に与える影響をIL-10トランスジェニック(TR)マウスとワイルドタイプ(WT)を用い,マイクロCTによるエックス線学的手法を用いて明らかにすることを目的とした。 その結果、(1)IL-10TRマウスの血清中、ならびに病変部のIL-10量はWTに比較して有意に増加していた。しかし、(2)マイクロCTによる骨吸収量において両者に有意差はみられなかった。以上より、IL-10の存在が無いと根尖性歯周炎の骨吸収が促進されるが、過剰なIL-10発現により根尖性歯周炎の骨吸収が抑制されないことが示唆された。
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