研究課題/領域番号 |
16591885
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
植田 耕一郎 日本大学, 歯学部, 教授 (80313518)
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研究分担者 |
山田 好秋 新潟大学, 歯学部, 教授 (80115089)
五十嵐 敦子 新潟大学, 歯学部, 助手 (90168097)
岩田 幸一 日本大学, 歯学部, 教授 (60160115)
寺本 浩平 日本大学, 歯学部, 助手 (60386076)
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キーワード | 口腔機能の向上支援 / 介護予防 / 摂食機能訓練 / 損傷下歯槽神経 / 神経再生 / 侵害受容ニューロン / 異常疼痛 |
研究概要 |
1.平成18年度施行の改定介護保険ならびに地域支援事業において、口腔機能の向上支援サービスが施行される。本サービスの中核となる摂食機能訓練の手技の確立と制度の円滑運用法について検討した。その結果、重度な要介護状態のみならず、軽度な要介護高齢者に対しても状態の維持、改善に摂食機能訓練が有効であることが示唆された。 2.損傷下歯槽神経再生過程における延髄侵害受容ニューロンの可塑的変化についての検討 目的:損傷下歯槽神経再生過程に発症する異常疼痛の神経機構を明らかにすることを目的とし、下歯槽神経(IAN)切断モデルラットの延髄神経活動を解析した。 方法:ラットのIANを切断後、3日、14日および60日目において、下唇相当部を含む顔面領域の侵害刺激に応答する三叉神経脊髄路核尾側亜核(Vc)ニューロンを同定した。各経日群におけるニューロンのBackground Activity(BG)、機械刺激に対する応答性および受容野特性について検討した。 結果:IAN切断後3日目には、下唇相当部を含む顔面領域に受容野を持つ侵害受容ニューロンは検出されなかったが、14日から60日目において検出率が増加した。WDRのBGは、切断後14日目で最も高くなり、60日目で正常のレベルに戻ったが、機械刺激に対する応答は、切断後14日から60日目まで比較的高い値を示した。下唇相当部を含む顔面領域に受容野を持つWDRは、切断後14日目で拡大し、60日目において縮小し、ほぼ正常レベルに戻った。 考察:Vc侵害受容ニューロンは下歯槽神経再生初期においては自発および誘発反応ともに高い興奮性を示すのに対し、神経再生後長期にわたって経過すると皮膚刺激に対する高い異常応答のみが続くことが明らかになった。おそらく、この神経再生後期に認められる誘発反応の増強には、Vcにおける高いシナプス伝達効率の亢進が関与すると想像される。
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