研究概要 |
耳下腺を含むマウスの顎部に5Gy,10GyのX線を,照射する30分前に放射線防護剤のamifostineを投与し,30日後の生存および耳下腺の変化をHE染色像,光顕オートラジオグラフィ(LMARG)で検討し,以下の結論を得た。 1)照射30日後の生存率はamifostine非投与-無照射,amifostine非投与-5Gy照射,amifostine 100mg/kg投与-無照射,amifostine 100mg/kg投与-5Gy照射で100%であった。200mg/kg投与は無照射でも生存率が100%ではなかった。 2)10Gy照射の生存率はamifostine非投与と比較しamifostine 100mg/kg投与で上がり,生存時間も長くなった。逆にamifostine 200mg/kg投与はamifostine非投与よりも生存率が低く,生存時間が短くなった。 3)耳下腺の形態はamifostine非投与-無照射と比較してamifostine非投与-5Gy照射は,肥大した腺房細胞,大小不同の核,分裂期の細胞,アポトーシス様細胞が観察された。amifostine 100mg/kg投与-無照射およびamifostine 100mg/kg投与-5Gy照射は軽度の腺房細胞の不規則な配列が観察された。 4)LMARGによる1mm^2の腺房細胞内の還元銀粒子数はamifostine非投与-無照射と同様に,amifostine 100mg/kg投与-無照射,amifostine 100mg/kg投与-5Gy照射でRI投与30分後で高値をとり,120分後で低値を示した。逆にamifostine非投与-5Gy照射では30分後で低値をとり,120分後で高値を示した。
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