研究課題/領域番号 |
16591902
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学・歯科放射線学
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
伊東 理世子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10140865)
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研究分担者 |
関口 睦夫 福岡歯科大学, 学術フロンティア研究センター, 教授 (00037342)
高木 康光 福岡歯科大学, 学術フロンティア研究センター, 助教授 (20212003)
真田 正幸 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40084264)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | DNA修復 / アポソーシス / 突然変異 / アルキル化剤 |
研究概要 |
本研究は、ミスマッチ修復(MMR)機構の初期に働くMLH1とMSH2タンパク質が、異常塩基O^6-メチルグアニンの引き起こす細胞死において作用する機構を、KOマウス由来の様々な細胞を用いて明らかにするのが目的である。 (成果1)Mgmt^<-/->Mlh1^<+/->マウス間の交配によりMgmt^<-/->Mlh1^<+/+>, Mgmt^<-/->Mlh1^<-/->, Mgmt^<-/->Mlh1^<-/->の細胞を樹立して以下のような成果をあげる事ができた。一方、Mgmt^<-/->Msh2^<+/->マウス間の交配からは二重欠損マウスを得る事ができなかった。原因は不明だが、引き続き交配を続け、目的の細胞株の樹立を図りたい。 (成果2)これまではアルキル化剤として化学発がん剤であるMNUを用いて研究を進めてきた。一方、アルキル化剤の持つ強力な致死作用を利用した抗がん剤は臨床現場で広く使われているが、その致死作用のメカニズムには不明な点が多い。メチル基を転移する抗がん剤ダカルバジンとクロロエチル基を付加する抗がん剤ACNUを研究対象に取り上げ、MLH1欠損細胞を用いて、ダカルバジンによる細胞死や突然変異の誘導にはMMR系が関与するが、ACNUの致死作用にはMMR系は無関係であることを明らかにした。 (成果3)アルキル化剤が誘導する細胞死ではミトコンドリア経路が重要な役割を演じている事をcaspase-3活性化のための足場蛋白質であるApaf-1欠損細胞を用いて証明した。現在、ミトコンドリア活性化がMMR機構に依存するか否かを、MLH1欠損細胞を用いて解析中である。 (成果4)ヒトがん細胞において、MMR複合体を免疫沈降法で同定する事に成功した。現在、同様な実験をマウス変異細胞で試みている。遺伝学的に明解な性質を持った細胞で生化学的研究を展開する事により、MMR複合体の機能をより深く解析したい。
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