研究課題/領域番号 |
16591904
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
池田 考績 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90222885)
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研究分担者 |
田中 享 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90179771)
井上 哲 北海道大学, 病院・講師 (80184745)
佐野 英彦 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90205998)
白井 憲一 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20325179)
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キーワード | 接着システム / 溶媒 / エアーブロー / 引張り強さ |
研究概要 |
本研究では、各種1ステップ接着システムにおいて、1)初期における溶媒の含有量、2)エアーブローによる溶媒の残存率の変化、3)溶媒の残存率をさまざまに変化させた場合のシステムの重合度、強度、硬さ、初期接着性能および長期接着性能等を評価する。その後ボンディングレジンの物性と接着性能の比較検討を行うことにより、長期にわたって安定した接着性能を維持するための製品の組成、臨床術式を確立するための指標を提示する。 平成16年度は、1ステップ接着システムの評価に先立ち、同システムと組成が近似した2-step etch and rinse typeの接着システムにおいて、恒温室内での溶媒の蒸散、エアーブローによる溶媒の蒸散、溶媒の残存と引張り強さの関係を評価した。その結果、溶媒の残存は、Vapor Pressureの強弱のほかに、初期の溶媒の含有量に影響を受けること、溶媒の初期含有率はシステムにより大きく異なることが明らかになった。また、エアーブローにより溶媒の大半は蒸散するが、親水性のモノマーと結合した溶媒の蒸散が困難であることが明らかとなった。さらに、溶媒が残存した状態では、引張り強さが低下することが明らかになったが、低下の程度は溶媒の残存率のほかに、溶媒の種類にも依存することが示唆された。 以上の所見より、エアーブローにより接着界面の強度を向上し、接着性能を高めることが可能と思われる。さらに、同システムにおける、溶媒が蒸散しやすい組成が存在することが明らかになり、今後の製品開発の指標になると思われる。 以上の実績を参考に、現在1-ステップ接着システムにおける、同様の検討を継続中である。
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