研究課題/領域番号 |
16591906
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
原田 直子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70372448)
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研究分担者 |
田上 順次 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50171567)
大槻 昌幸 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30203847)
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キーワード | う蝕検知液 / う蝕歯質領域 / う蝕象牙質 / カリエスチェック / カリエスディテクター / SEM / 染色領域 |
研究概要 |
う蝕検知液は、現在最も合理的なう蝕除去の手段として臨床においてよく用いられている。しかしながら、従来の検知液は染色部を全て除去すると過剰切削になると指摘されている。そこで本年度は、除去すべきう蝕歯質領域を同定するにあたり、まず国内外で市販されているう蝕検知液について再考するため、以下の2つに関し検討を行った。 1)う蝕検知液そのものが象牙質に及ぼす影響について ヒト健全抜去歯を4群に分け、象牙質面に対し、(1)無処理(2)新しいう蝕検知液カリエスチェック3秒(3)カリエスチェック10秒(4)従来のう蝕検知液カリエスディテクター10秒 の前処理を行った。(カリエスチェックは、従来の検知液カリエスディテクターの基本的な組成を変えずに、溶媒の分子量を大きくした改良品である。)その後、2種のセルフエッチング接着システム、クリアフィルメガボンドあるいはトライエスボンドにて接着操作を行い、ビーム法にて微小引っ張り接着強さの測定を行った。また、各種前処理面およびレジン/象牙質接合界面のSEM観察を行った。その結果、いずれのシステムにおいても、う蝕検知液の使用は、セルフエッチングシステムの象牙質に対する微小引っ張り接着強さに影響を及ぼさないことが示された。 2)同一う蝕歯に対する染色性の比較 中等度のう蝕を有するヒト抜去歯を、う蝕の中央部を通り歯軸と平行に半切し、切断面を研磨後、カリエスチェックにて切断方向より染色し、水洗乾燥後染色領域をデジタルカメラにて撮影した。その後3日間水中浸漬により脱色した後、同一試片をカリエスディテクターにより染色し、同様に染色領域を撮影、得られた画像をコンピューター上で重ね合わせ、染色領域の比較を行った。その結果、カリエスチェックで染色される部位よりも、従来の検知液の方がわずかに染色範囲が広いことがわかった。現在、海外製品のSee-it(R0NVIG)についても検討中である。
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