研究分担者 |
白井 憲一 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (20325179)
荒川 真 広島大学, 病院・助手 (60379881)
野村 雄二 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (80218370)
岡崎 正之 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30107073)
澤尻 昌彦 広島大学, 病院・助手 (20325195)
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研究概要 |
歯科材料におけるリスク評価は,酵母や培養細胞によるエストロゲン様活性物質に対するバイオアッセイやサルモネラ菌や発光細菌を用いての変異原性,遺伝毒性化学物質の検出法が開発され,歯科材料のリスク評価にも適用されている。しかしながら,いずれも、細菌や遺伝子組換えを行った酵母や培養細胞であり、より厳格な試験法のために脊椎動物における化学物質の体内動態の解析が望まれている。最近、骨粗鬆症と性ホルモンとの関係から、骨芽細胞にエストロゲンレセプター(ERα、ERβ)が存在することが明らかとなり,骨代謝における骨芽細胞および破骨細胞の役割とこれを調節する因子としてのLANKLおよびOPG等のサイトカインの役割が明らかになっている。そこで、本研究では、骨芽細胞を培養した骨代謝系において、これらの細胞が産出するタンパク,特にサイトカインに注目して,内分泌撹乱化学物質および遺伝毒性化学物質に対する歯科材料の安全性評価法を確立しようとするものである。そのために、骨芽細胞の培養を行い、骨代謝系において化学物質に暴露された場合の産出されるmRNAの定性、定量を行った。さらに、骨芽細胞の形態変化を明らかにし、骨芽細胞の産生するタンパクの定性、定量および細胞の形態変化による歯科材料の安全性評価法の開発を行っている。これらのバイオアッセイにより、各種歯科材料の安全性評価を実施している。特に、歯科材料における高分子材料から溶出する重合開始剤やフタル酸エステルなど、環境ホルモンとして疑われている化学物質について、重合体からの溶出挙動および溶出した化学物質の定性、定量を行い、遺伝毒性との関連も視野に入れつつ、その安全性評価を試みた。
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